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本当に本当に何者にもならなくていいんだ

ずっと「何者」かになりたかった。

「何者」かになって母に愛されたかった
すごいねって認められたかった。

「何者」かになって経済的に自立したかった。
経済的に自立すれば夫から逃げられると思った。

「何者」かになって有名になりたかった。
有名になれば、今まで私をバカにした人たちを見返せると思った。
「あの人やっぱりすごい人だったんだ」って驚かせたかった。


夫が亡くなって、思った。

「もう私は何者にもならなくていい」

でもその裏に隠れている本心はといえば、
「何者にもならなくていい」と思ってやりたいことをやって自然体で生きていればいれば、必然的に「何者か」になってしまうだろうという下心だった。


そして今日ふと気が付いた。

「あぁ、本当に本当に、
何者にもならなくていいんだ。」

もう母親に愛されなくていい。
夫から逃げなくていい。
ダイエットして痩せなくていい。
若見えを目指さなくていい。
有名にならなくていい。
お金稼がなくていい。
最悪、生活保護を受けてもいい。

そう思ったら、ずっと我慢してたおしっこをようやく放尿できた時みたいな深い安堵を感じた。
体がふわ〜っと軽くなって、じんわり温かく緩んだ。

「何者かになること」を手放すと、こんなにも安心できるんだ。

今まで不安だったのは、焦っていたのは、
「何者かにならなくてはいけない」と思っていたからだったんだ。

「何者か」になることを手放せば、私は「何者かになるための本」ではなくて、本当に読みたい本当に好きな本を毎日読んでいられる。

空いた時間には大好きな手作りをしよう。
服をリメイクしたり好きな布でカーテンを縫ったりかぎ針で編み物もしてみたい。部屋を整えて、DIYにも挑戦したい。季節の野菜で保存食も作りたい。
誰かに認められるためではなく、私だけのために、私の本当に作りたいものを作ろう。

もしそんなことができたら・・・・。
あぁ!なんて楽しい毎日なんだろう!!

そんな毎日を生きていいなんて本当に驚きだ。

もう自分を打つ鞭は必要ない。
暖かくてふわふわのブランケットでそっと自分を包もう。

いい匂いのアロマを焚いて、明るくて温かい部屋で寛いでいよう。

そんな人生を私に贈ろう。

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