叶和

書くことが好きなただの会社員。 気まぐれに自分の記憶をベースにした創作を書いています。

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最近の記事

少し特別な外食

「失礼しました。」 卒論の提出を終え学科事務室を出る。卒論発表はまだ残っているもののようやく終わったのだ。 講義棟の外では雪が舞っていて外に出た途端、寒さに体が震えた。外に出るのが嫌になるような寒さだけれど、卒論提出日である今日は数か月ぶりに友人と外食の約束をしていた。 就活、卒論と忙しくなかなか時間も合わなくなり一緒にご飯に行くことも少なくなっていたので全部落ち着いたら頑張ったご褒美に焼肉に行こうと話していたのだった。 店の近くまで来て時計を確認すると、友人とゆっくり過

    • 数時間のたからもの

      かすかな電子音にゆっくりと意識が浮上してくる。 目が覚めたばかりでぼんやりとした思考のまま、スマホの目覚ましアラームを止める。 画面に表示された日時を見て一気に目が覚めた。 今日は大好きなバンドのライブだ。 「物販って何時からだったっけ?」 小さくつぶやいてバンドの公式Twitterで物販の時間を確認すると、そのまま会場へと向かう電車の時間を調べる。 時間には余裕があったけれど物販は並ぶことも多いので早めに行きたい。 急いで身支度を始める。過去のツアーやグッズのTシャツを

      • 熱い秋の1ページ

        キーンコーンカーンコーン! 「じゃあ、今日はここまで。宿題は、、「終わったー?」」 授業が終わり、次回の話をしようとする塾の先生の声を遮って友だちが声をかけてきた。 「今日は何があるの?」 友達がこうやって授業直後に来るのは時々あるので先生はいつものようにそう聞きながらホワイトボードに次の予定と宿題を書いていく。 「新人戦!みんなで応援に行くの!」 「試合始まっちゃうから早く!」友だちが待ちきれず急かす。 先生は笑ってホワイトボードに書いた次の予定などを写真に撮らせてく

      少し特別な外食