【七月十六日】桐ヶ谷斎場にて

またひとり親戚を失った
親戚を失う度に聞かれるのは
仕事は今、何をしているのか…
亡くなった伯父さんのことは
いっさい話題に上らない
聞かれて答えにくい職業なら
しない方がましなのかと
ずっとずっと悩み続けながら
また今日も同じ質問に答える
そして私の親も同じように
頭を抱えながら苦笑いをする
仕事は仕事と割り切って
私は常に誇りを持っていた
きっと伯父さんだったら
私を理解してくれるだろうか
頭の片隅にもなかったくせに
この時ばかりと合掌するのは
やっぱり都合が良すぎるのか
そんな悪い気持ちを抑えながら
遺骨を箸で拾い上げた

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