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鴨川でぼうっと、月を眺めていると、気づく。 水鳥のシルエットが時たま浮かび上がる。 正体不明の虫がパタパタと空を飛ぶ。 はてあれは何だろうか? 知りたくなる。 その正体を、そのシルエットの向こう側を覗きたくなる。 どんな鳥も虫も、月の下にいるものはみな奥行きのあるように見える。 いま目に移るその向こう側に、広がっているであろう何かを知りたくなる。 暗闇に光るネコの眼のような、キラッとしたものが見たい。 知りたい。知りたい。知りたい。 逃さないように、急いで飛び
鍵を持っている どこの、何のものかわからないが その鍵を待っている鍵穴がある
人はみな 自分が美しき黒となれるようなパートナーを探している 自分の色plusパートナーの色equal美しき黒 2人の色が混ざり合う そしてそこに愛が溶け込むと 清らかな純白が生まれる
たとえ今日がどこへの途上でも 君はいまここにいる それだけは揺るがない 去年の今日がどこへの出発点であったか 君は理解し始めている ある方面へのベクトルは 確実に伸びている 確実に未来を指している 確実に過去に根ざしている 君の今日がどんな過去の延長で どんな未来への布石であるのか 分かる日はきっと来る きっと来るその時を 微笑みあえる優しさで お迎えするんだ やあ、どうもって 君が種を蒔いた好奇心は じっくりと育てよう 多くとも、どんなものでも 種から伸びた線は絡み合
海底 そこは暗く、湿った翳りのある世界 その世界を否定し、未だ見ぬ世界を 何もかもが新鮮で自らに刺激を与えてくれる活動的な世界を 求めていた そして、上へ上へと向かった 魚はとうとう、海面の揺らぎを捉えた 月の光に照らされ、白と青のコントラストが際立つそれは かつて見たことないほどに美しいものであった よし 魚には勢いがあった このまま、飛び出してみるぞ ばしゃっ 飛び上がった魚は、月を見た 丸く優しげな月だった 魚の目に希望が映った 彼は月を見たのだった
Forgot me not 夕食の、魚料理 Forget me not 私は彼を、すぐに忘れてしまうわ Forget me not 彼は、言わなかったから Forget me not 別れの挨拶
寝不足な君に贈ろう それでも朝が来るのだと どうしたってやってくるのだ 街に光が差し込み、世界が動き出す 白いステージが始まる 夜の役者は息を潜め、影の世界へと退いていく 君がどちらの住人だろうと、そんなことは関係がない 誰にだって平等なのだ 君が生まれ、死ぬように 朝が生まれ、夜を育てる それとも逆か 夜が朝を生み育てるのか 朝と夜 白と黒 2つは1つ ああ、こんな苦しい思いなら 朝を殺してしまいたい 朝が君を誘拐
目が開くと、現在地がわかった 早くここを抜け出して、外へ、外へ 青い光が差した向こうは、若葉薫る木陰 風は吹いていないけれど、颯爽と飛ぶ 羽根は乾いた空気に乗って 力への意志に導かれた 灰色のこの場所を 優しく溶かして ゆっくりゆっくり ここに辿り着くまで 果てから来たのだ
君の中にあるものを、すべて吐き出してみなよ さあ、はやく! その声かけに慌てた彼は、急いでその準備をした。 右手の人差し指をナイフに変え、自分の胸と腹を、首の根元からヘソにかけて、勢いよく一気に切り裂いた。 シャッという音とともに血しぶきが目に映る。 それから、なんだかたくさんのものが出てきた。 音楽的なもの、小説的なもの、絵画的なもの。 「これなんか、形を整えてさえあげればちょっとはマシなものになりそうだな・・・」 見知らぬ紳士が呟く。 「
落とした言葉の重さを指で計って 君の腕力以上のものを放っていたことに気づく 見送られ、流れた言葉を、鳥がつつく そして、どこかへ飛んで行った
まったく関係のないモノとモノなんてない"> まったく関係のないモノとモノ、なんてない! いま読んでる本に、こんなお題がある。 一見まったく関係のないように見えるモノとモノがある。 頭を捻って、関係性を生み出し、さらにそれを互いに溶け込ませて、"自然"な文脈にする。 実際に何ができるかどうかはともかくとして、創造力のトレーニングとなるようだ。 連想ゲームのひとつ。 さて。僕も考えてみた。 逃げられない電話さあ、イメージしてください。 あなたは卵一個を手にしていますね
平日の早朝。 スーツ姿のサラリーマン。 出勤の途中。 肩にバッグ。 左手にグラス。 右手にはウィスキーのボトル。 狂人でしょうか? いいえ、だれでも。