祈り

神が保つ町、幾何学模様のあなたがわたしを待っている。16、32、196、それ以上の笑顔ももうすぐそこまで来た。手のひらに収まる小さな幸せも、電子機器の中では遠すぎる。あの子が欲しい、この子はいらない、瞳を流れていくはないちもんめは残酷だった。わたしはあなたのすべてが欲しい。手に入れた笑顔を犠牲になんてしなくても、わたしは自分の力であなたを手に入れられる。あなたのためにわたしはここまで来てしまった。火葬寸前の毎日も、更新されるあなたを無彩色に包まれて眺めていたら、なんとかなるような気がした。あの日、12063から見たあなた、胸元に光を灯したあなた、それを楽しそうに教えてくれるあなた、もうあれから時間が経って、私の目の裏からすこしずついなくなる。今日、壁を挟んであなたと存在できるとき、わたしは何をすればいい?考え続けても答えは出ない。

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