とうたらりん第二回演劇企画『アンティゴネの祀り』

演劇ユニットとうたらりんは演劇プロジェクトとして、2021年10月22〜24日早稲田大学学生会館地下B202で『アンティゴネの祀り』を上演します。もちろん無観客です。公開方法はDVDです。公演映像をDVDにして梱包し皆様の家まで郵送いたします。公演詳細、購入方法については、ページ下部に記載しています。

主宰より公開方法に寄せて

演劇を「配信」する。コロナ禍以降、身近な人たちの試みから、世界の演劇祭まで様々な人々がそれを実践してきた。しかし、それを眺めながら、どうも演劇というものと「配信」は合わないなあと私は思っていた。むしろ、動画配信サービスなどを用いて、劇場での公演を配信するなど、演劇にとって冒涜的とさえ感じてしまう。
演劇は百万人にコピーされることはない。たった数百人しか見られない。そして、演劇が現れるその瞬間に観客も立ち会っており、つまり、作り手も観客の顔が見えている。この時代に逆行するような演劇のあり方はそれそのものにおいて、演劇を演劇たらしめているような気がしてならないのだ。つまる所、コピーされ、顔の見えない不特定多数に、知らぬ間に見られることなど演劇にとっては致命的なことだと思う。
コロナ禍とはつまり、近代人が「より広く」世界を節操なく拡大していった結果起こったものだ。そして演劇は近代のこの「より広く」に乗れないことによって、文明においてある地位を確立してきたと言ってもいい。いざコロナ禍になった時に、「より広く」の波に安易に乗っかるのもどうも違和感が拭えない。
ここまで書いてきたことは理論ではなく、いわば私の演劇への「肌触り」のようなものである。本当かどうかわからない。演劇を演劇たらしめているものはきっと他にあるだろう。しかし、私の皮膚感覚が「配信」に対して、不信感を抱いている以上、これについてアクションするのが作り手というものだと私は考える。だから私はDVDの郵送という手段を選んだ。
1枚1枚、私が住所と宛名を書いて投函する。感想は同封するハガキに書いてもらう。お金がないから、用意できるのは100部以下だ。インターネットよりも古い時代の「オンライン」、郵便を使ってたった数十人に届ける。それは演劇じゃないかもしれない。ただ、配信よりも「演劇的」だと感じる。2500年を超える歴史のある演劇の知恵と地続きだと感じる。
あなたの手元に私からの郵便が届いた時、それが演劇だったかどうかぜひ「肌触り」を教えて欲しい。私もあなたの宛名を書きながら、「肌触り」を確かめてみることにする。

とうたらりん主宰 田村将

公演情報

鶴の一声produce
演劇ユニットとうたらりん
第二回演劇企画
『アンティゴネの祀り』

構成・演出:田村将

上演|2021年10月22日〜24日 無観客上演
会場|早稲田大学学生会館地下B202
販売方法|特設サイトにて販売。2021年11月初旬〜順次到着予定

・出演
敦郎(劇団森)
小川竜駆(劇団森)
鹿の子
たむらまさる
中野治香(演劇倶楽部)
林花梨

・スタッフ
舞台監督|池神太朗(劇団てあとろ50')
照明|舞台美術研究会
音響|전수현
舞台美術|寺原梨英
制作|カタツムリ(潮汐ロック)
制作補佐|渡部真子
演出助手|氷見大陸人(劇団くるめるシアター)、関口真生(劇団くるめるシアター)、中荄啾仁(劇団夜鐘と錦鯉)

販売方法詳細

当公演は、会場で上演したものを撮影し、ご購入いただいた方にDVDにして郵送いたします。販売価格は1セット【1000円】となります。

お届けする内容は、
・『アンティゴネの祀り』本編収録DVD
・『アンティゴネの祀り』演出ノート
・『アンティゴネの祀り』台本
・感想用はがき
です。

購入手順は以下のとおりです。

1.とうたらりんのnoteストア、またはURL(https://toutararin.base.shop)より商品ページにアクセス。

2.商品:『アンティゴネの祀り』DVDセット を選択して購入。

3.入力された住所にお届けいたします。発送は11月初旬の予定です。

お問い合わせ

『アンティゴネの祀り』制作部
Mail:toutararin@gmail.com

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