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第167回天皇賞(春)(レースラップから考える京都コースの考察)

3年ぶりに京都コースで天皇賞春が行われます。
阪神コースとの違いはあるのか、あるとすればそれはどんな点かを考察していきます。

まず、昨年と一昨年に行われた阪神3200mのコースは次のとおりです。

1周目が外回りで、2週目が内回りです。
阪神3000m(阪神大賞典開催コース)は、2回とも内回りです。
なので、200m距離が長い阪神3200mの方が初角までの距離は短いです。

対して京都3200mですが

外回りを2回廻るコースです。
初角までの距離は約400m

この京都開催の天皇賞春のレースラップと、阪神大賞典のレースラップを比較すると次のとおりです。

天皇賞春(京都)と阪神大賞典の大きな違いは、前半のペースです。
あきらかに阪神大賞典の方が遅いです。
これはG1とG2という格の違いもあると思いますが、400mの直線を進んだあとに、外回りコースを通過する京都3200mと約300mの直線の後に内回りコースを通過する阪神3000mの違いだと思います。
なので、阪神大賞典の方がステイヤータイプが好走しやすいと思います。
前半のペースが遅いからです。
逆に京都3200mの方はある程度中距離のスピードに耐えられる馬で無いと厳しいと思います。
例えば
<2020年>
1着フィエールマン(1人気)
 ⇒次走2000m天皇賞秋2着
2着スティッフェリオ(11人気)
 ⇒1800mの小倉大賞典1着、2200mのオールカマー1着
3着ミッキースワロー(4人気)
 ⇒2000m七夕賞1着、2200mオールカマー2着
<2019年>
1着フィエールマン(1人気)
2着グローリーヴェイズ(6人気)
 ⇒1800mきさらぎ賞2着、2000m佐渡S(3勝C)1着
  2400m日経新春杯1着※前5F:58.3の超ハイペース
3着パフォーマプロミス(8人気)
 ※1秒差の離れた3着

<2018年>
1着レインボーライン(2人気)
 ⇒アーリントンC1着、NHKMC3着、天皇賞秋3着
2着シュヴァルグラン(1人気)
3着クリンチャー(4人気)
 ⇒2200m京都記念1着、2000m皐月賞4着

という感じで、中距離のスピードに対応できる馬が上位に来ています。

次に阪神3200mの天皇賞との比較ですが

実は、阪神開催の天皇賞春も前半は速くなっています。
しかし個人的にはこれはコース形状からはおかしく、たまたまだと思っています。
コース形状的には
「初角までの距離は短く、外回りコースとはいえカーブを通過する。」
ので、本来のレースラップだと前半はスローになりやすいコースだと思っています。
では、何故過去2年がハイペースになったのかと理由を探すと
<2022年>
逃げたタイトルホルダーが大外⑯番枠でした。
そこから先頭を取りにいったことで、前半が速くなったと考えています。
※大外⑱のディープボンドもかなり押して前に行った。
<2021年>
この年は人気が割れており、中心となる馬がいない年でしたが
(1人気ディープボンド3.6倍)
前走3勝Cで阪神3200mを逃げてレコード勝ちしたディアスティマという馬が、天皇賞春でも強気の逃げ打ちました。それがハイペースにつながったと思います。

さて今年は逃げ候補として考えられるのは
③タイトルホルダー
⑪ディアスティマ
⑰アフリカンゴールド

まず、恐らく1人気のタイトルホルダーが(逃げ候補の中で)最内を引きました、JRAの騎手はお行儀がいいので無理に外からかぶせていくことは考えにくいです。なので、京都3200mなりの平均かスローが予想されます。
と言っても、京都3200mは前半が速くなりやすいので、やはり中距離のスピード力が要求されるレースになるのではないでしょうか。

ここで、人気を集めそうな4歳馬について、考察します。

◆ジャスティンパレス
阪神大賞典で本命にしてばっちり3連単を的中させてくれたこの馬ですが
次のラップ表をご覧ください。

前5Fのラップの速い順に並べていますが、基本的には
・前半が遅い
・後半が速い(緩急差が大きい)
なレースが得意なタイプです。
(※菊花賞除く)
それと
・道中に12.8以上の緩いラップがあると好走しやすい
タイプだと思います。

今年の天皇賞春がスローを希望するタイプですね。

◆ボルドグフーシュ

勝ち味に遅い差し馬タイプです。
新馬戦を除くと4着以下はエリカ賞のみ
エリカ賞は道中に11秒台のラップが2回あるレコード決着のレースです。
前走の未勝利戦からいきなりペースが上がりましたので、それについていけなかったと考えることもできます。それ以外のレースでは古馬G1でも3着以内を外してませんので、安定した走りをしています。
この馬の好走パターンは、ベストパフォーマンスを有馬記念だとすると
・前半がある程度遅い
・後半が速い(緩急差が大きい)
・最後の1Fが失速して差しが届きやすくなる
レースが得意なタイプです。

ジャスティンパレスよりは京都3200mに向いているかもしれません。

◆アスクビクターモア

この馬は
・道中に12.8以上の緩みが少ない、一貫ペースが得意
なレースが得意なタイプだと思います。
タイトルホルダーの逃げ次第ですが、あまり天皇賞春には向いてない気がします。ステイヤーというより中距離向きな気がします。


そして京都3200mの天皇賞春のレースラップはこんな感じです。

前5Fの平均は60.94です。
前後差は大きい年と、小さい年があります。

そしてタイトルホルダーについて
恐らくですが、道中に12.8以上が2回以上あると勝ち切っている感じです。
(※宝塚記念除く)

多分ですが、2400m以上だと道中に息を入れないと持たないんじゃないかと

自身で道中12.8以上の区間ラップを2回以上入れるラップを作れるかどうかが好走のカギになりそうです。


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