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第28回東京スポーツ杯2歳S(出走馬分析)

2歳戦はキャリアの浅い馬同士の争いです。
能力の他に、前走レースの経験値の影響も大きいと思っています。
例えば10年以降の良・稍重の東京スポーツ杯2歳Sの前走距離別成績を調べると

一番好成績なのは前走1800m、次いで1600m、そして2000mです。
一般的にレースの格が上がると、ペースが上がります。
1600mの方が2000m組より好走率が高いのは、重賞の速いペースに近いペースを経験している1600mの方が(素質や能力とは別に)有利に働いていると考えられます。

これから東スポ杯の出走馬の分析を行いますが
最初に振り返っておきたいレースがあります。
先週の日曜日福島1Rです。
このレース
1着 アルデドゥオーモ (7人気)
6着 マイネルディレクト (2人気)
という結果でしたが、実はこの2頭は前走同じレースで

マイネルディレクト 3着
アルデドゥオーモ 5着
とマイネルディレクトの方が着順が上でした。
ではどうして今回逆順が逆転したのか?
様々な要因があったと思いますが、その理由の1つにペース経験があるんじゃないかと考えています。

マイネルディレクトの前々走レースのAve-3FはD1600mで36.0でした。
アルデドゥオーモの前々走レースのAve-3FはD1800mで39.40でした。
それが前走同じレースに出走して
マイネルディレクト Ave-3F:38.40で3着
アルデドゥオーモ Ave-3F:38.70で5着
マイネルディレクトは前々走よりペースが楽になって先行して3着です。
アルデドゥオーモは前々走よりかなりペースアップをして5着です。
私の「400mの壁」理論にもある通り、大幅にペースが変わるのはパフォーマンスが落ちます。
しかし、日曜日のレースはアルデドゥオーモがAve-3F:37.85で1着に好走しました。これはペースアップに慣れた(前走の経験値が生きた)と考えられます。

逆にマイネルディレクトは前々走で速いペースを経験していたので、前走は有利な立場でレースをして3着だったし、今回は他に速いペースに慣れた馬が増えたので結果的に着順が落ちたという風に考えられます。

今回の東スポ杯2歳Sはこの意識を持って、出走馬の分析を行っていきたいと思います。


1)ガイアメンテ
新馬戦を快勝後、札幌2歳Sで1番人気に支持されるも6着に負けました。
札幌2歳Sの3着以内馬の前走Ave-3Fと札幌2歳SでのAve-3Fは次のとおりです。
           前走 ー 札幌2歳S
1着 セットアップ 36.45 ー 37.0
2着 パワーホール 38.55 ー 37.20
3着 ギャンブルルーム 37.55 ー 37.25

6着 ガイアメンテ 37.80 ー 37.30
1着馬と3着馬は前走で速いペースを経験済みでした。
2着のパワーホールは大幅ペースアップにもかかわらず2着に好走しているので、次走も注意が必要と思います。
6着のガイアメンテも大幅ではありませんが、ペースアップになっています。
しかも位置取りが10-10-5-3とまくっています。
レース動画を見ればわかりますが、向こう正面で一気に先団にとりついています。

レースラップは中間で緩んで、後3F目で一気に速くなっています。
つまりガイアメンテ自身は中間のラップの緩い箇所を速く走り、更に後4F・3Fの速い区間も速く走ったことになります。
上記のAve-3Fのペースアップ以上に、息を入れることのできない厳しいペースでレースをしたと言えます。
新馬戦は札幌2歳Sで1人気に支持された通り、なかなかのパフォーマンスです。個人的には今回軽視できない1頭だと思っています。


2)サークルオブジョイ
個人的には足りない印象です。
新馬戦は下位の馬に差を付けたわけでもなく、スローの瞬発力戦で上がり1位でもないです。

3)シャンパンマーク
新馬戦は極端な超スローのレースです。
しかし上がり1位で1着です。
10月11月2歳東京芝2000mの後2F:22.5以下で4角4番手以下から上がり1位1着且つ勝ちタイムが2.04.9以下に該当するのは
シャンパンマーク
ガロアクリーク スプリングS1着、皐月賞3着
ハートレー ホープフルS1着
素質があると思います。
但し、今回距離短縮でかなりのペースアップが見込まれるので、そこは気になる点です。

4)シュトラウス
6月東京1600mを不良馬場で1.5秒の圧勝をした後、サウジアラビアRCで3着に好走した馬です。
以前どこかで述べましたが、モーリス産駒の2歳時は不良馬場にめちゃくちゃ強いです。

1.5秒差の圧勝にそういう理由もあると考えるべきかと思います。
但し、新馬戦のAve-3F:37.44>サウジアラビアRC 35.64のペースアップに対応して3着に好走した点は素晴らしいと思います。
ただ、2歳時のモーリス産駒という事でここで勝ちきるイメージは湧きません。3連複の軸にぴったりな印象です。

5)シュバルツクーゲル
新馬戦は3頭が抜けて強かったレースです。
逆に言うと3頭大きく差のない新馬戦だったとも言えます。
そんな勝ち方をした馬が、格上げ初戦の重賞且つ距離短縮で通用するかと言われると疑問があります。

6)ショウナンラプンタ
この馬の新馬戦も一見3頭が抜けて強かったレースに見えますが、上がりタイムの差且つゴール前の手ごたえの余裕を見るとシュバルツクーゲルよりは期待できると考えています。

7)テリオスルル
逃げ馬候補でしょうかね。
前走は前5F:59.6で逃げています。
前走1-2着馬も大幅ペースアップで負けているので、ここではちょっと厳しいかなと思っています。

8)ファーヴェント
新馬戦の内容は数字的には一見強調材料に乏しいように思えるのですが
先々週の百日草特別を勝ったアーバンシックに似ているんですよね。
まず、アーバンシックの新馬戦がPCGの「前後差」全体平均(-4.8)の超後傾ラップです。
そのレースで直線前が壁になり、一旦横に出したら、また前が壁になって2度原則、ようやく抜け出して僅差の勝利勝ち
ファーヴェントも前が壁になり、なかなか追い出すことが出来ずに残り4Fくらいからようやく抜け出してます。
加速に時間のかかるハーツクライ産駒だけに、大きく影響した可能性があります。2着馬も同じ上がり1位ですが、最後の余力はまるで違います。
また、前走新馬戦1800mで4角4番手以内且つ上がり1位で1着の馬は

結構好走率高いんですよね。
これも気になります。


9)フォルラニーニ
新馬戦はかなり余裕のある勝ち方でした。
しかも4角のコーナーリングが下手でかなりロスをしています。
このコーナーリングの下手だったのが、素質を感じさせますが逆に不安点でもあります。
またエピファネイア産駒の距離短縮でもありますね。

10)ミカエルパシャ
新馬戦を逃げて勝ってますが超スローです。
テリオスルルと逃げ争いをすると脚を無くす可能性があるんじゃないでしょうか。

11)メイプルタピット
ダート血統でダート戦勝ち上がりの馬ですからね。



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