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インデックス投資に学ぶ株式投資の極意


結論を先に言うと株式投資の極意は「長期間保持し続けることで、リターンを増やすこと」です。

上記のグラフは投資界隈ではすっかりお馴染みのグラフですが、長期投資の効果をわかりやすく示しています。<株式は保持してナンボ>と言うことです。

債券と金は有利な局面と不利な局面がはっきりしているので、商品の特性を理解して上手く活用できる自信があるならそれを活用し、自信がない場合は無理に投資しなくて良いと思います。そもそも資産が多い人が「増やした資産を失わないようにするための投資先」でもありますし。

株式は長期間保持し、その価値が複利的に増幅していく恩恵を受けることができる投資先です。一般によく言われるトレード的に売買するやり方が一見効率的に見えてしまうために売買の利益で稼ぐ投資方法が浸透していますが、本来は株式を構成している企業の成長の恩恵を受けるものであることから保持しておくほうが理に適っています。

新NISAによってインデックスファンドへのパッシブ投資(または積立投資)がだいぶ広まってきたと思いますが、NISAに限らずインデックスファンドに投資をすると言うことは「株式で構成された商品を、リスク許容度の範囲内で定期的に投資をし、売らずにじっと保持することでリターンを得る」という行為を自然と行なっていることになります。

インデックスファンドはある指数に連動した(オルカンであっても指数に連動しています)商品なので、オルカンなら全世界、S&P500ならアメリカ、日経平均なら日本と範囲を決めて投資をします。

投資信託であってもETFであっても何か1つの商品にひたすらお金を投じて投資をするので貯金に近い感覚で投資をすることができます。投資方法として一括が良い・積立が良いと議論されますがそれはその人が投資する資金の確保の仕方に依存するものでしかないので、どちらでも良いですが一括にしても積立にしても「1つの商品に淡々とお金を入れていくこと」には変わりありません。

時折、インデックスファンドを複数投資した方が良いという意見を見かけますがそれは金庫の中に金庫を入れておくようなものであまり意味がないものなので止めた方がよく何か1つファンドに集中した方が良いです。

話を戻すと1つのインデックスに長期間淡々と資金を投じ続けることが重要で、それがそのまま株式投資の極意ということになります。

個別株に投資する場合も<本来は>同じことで、長期間淡々と個別株を買って保持し続ければ株式を構成している企業の長期的な成長と共にその恩恵を受けることができるはずです。

ただそれがなかなか難しいのは個別株は個々の企業の業績や株価の影響が分かりやすく見えてしまうことから
・恩恵を受けるまで売ってしまう
・価格の上下動に翻弄されてしまう
といった点があるからだと思います。また「状況に応じて的確に売買すべき」という主旨の株式投資指南が浸透していることも影響していると思います。

インデックスファンドは企業の集合体、個別株の集合体とも言えるのですがどれを買ったら良いかを一々判断しなくて良いので究極的に効率が良いです。
でも個別株もインデックスファンドと同様に
・淡々と買い続け
・買ったら安易に売らない
ようにすれば、
インデックスファンドと同様に長期投資によってリターンを得ることができます。

あとはインデックスファンドと個別株の違いを理解して、個別株投資のデメリットを補えば良いわけです。

インデックスファンドへのパッシブ投資と個別株投資の違い、1番は投資する企業数です。
自然と分散されるインデックスに対して、個別株投資は絞ろうとも思えば1つまで絞れてしまいます。1つの投資先だけだと価格上下動の影響や企業の業績の影響をもろに受けてしまうのでパッシブ投資とは対極にある投資方法です。

つまり個別株投資であっても分散投資が必要ということです。

分散投資は資産拡大に不向きと言われますが、それは短期間に資産を拡大させたいという目的に反するからだけであり期間を優先しないのであれば分散した方が有利です。


個別株投資の保有数と分散投資の効果の関係は上記のグラフが有名で、保持する数が多くなると分散効果は高まりますがある程度までいくと効果は弱まります。

個別株の分散投資について語られる際に議論になるのが「保有する銘柄数」ですが、目安としたいのが「NYダウ平均」です。

NYダウ平均は30銘柄で構成されています。最近Amazonが採用されましたが、どの銘柄が採用されどの銘柄が除外されるかは都度ニュースでも紹介されます。

さてNYダウはどれぐらい価格が動いているでしょうか。


ご覧のように波はありますが、長期的には右肩上がりです。冒頭の株式投資の右肩上がりと近いことも確認できるかと思います。

つまり30銘柄を目安に分散投資すれば良いということが分かります。

必ずしも30にこだわらなくても良いですが、個別株投資をするなら最低でも30銘柄に分散させておく必要があることが分かります。それ以上投資した場合、分散効果は薄れますが1銘柄あたりの投資比率が下がるため「1銘柄の影響が小さくなります」影響が小さくなるということは株価の上下動や業績の影響、倒産した場合の影響が小さくなるということなので、保有銘柄数が30より多くなっても問題ありません。

ではその30銘柄は何を選んだら良いでしょうか。

1つは「ダウ平均に採用されている銘柄」を単純に買えば良いと思います。
アップル・マイクロソフト・Amazon・VISA・NIKE・P&Gなど日本人でも誰でも知っている銘柄が多く、アメリカの企業というよりも全世界で活躍しているグローバル企業30社に投資をするイメージが持てると思います。

もう1つは「自分の好きな企業、投資したい企業を30以上」買うのも良いと思います。元々インデックスファンドへの投資が有効であると示されたのはプロが運用しているアクティブファンドよりも猿がダーツを投げて当たったランダムな銘柄に投資した方がパフォーマンスが良かったことから来ているので、自分で恣意的に選んでもよほど偏りがない限り同じだと思います。

ポイントはインデックスファンドへのパッシブ投資と同様に
・分散する
・定期的に購入する
・無闇に売らない(現金が必要になった時だけ売る)

ことです。

また以下に個別株投資のメリットをお伝えします。このメリットを良いと感じた方は個別株、そうでない方は素直にインデックスファンドに投資した方が良いです。

<個別株投資のメリット(主にメンタル面)>
・企業の一部を保持した気になる
・企業活動、企業が提供するサービス・商品、新たな取り組み、経済活動・社会貢献などに興味関心が持ちやすくなる
・個々の企業の動向が「見える」ことで難しい状況になった時に保持し続けるモチベーションにもなったりする(業績は悪くないけど、株価が下がっている時とか)
・投資先を手作りで決める充実感(自分で作った料理を自分が食べると美味しく感じるのと同じ話)
・定期的な配当収入が得られる(インデックスファンド、特に投資信託は還元されずに再投資されるので資産増で効果を実感することになりますが、賛否あれど配当金として利益が還元されるのは投資を続けるモチベーションに繋がります)

メンタル面を強調している理由ですが、インデックスであっても個別株であっても長い期間続けることが大事なので、長く続けるための理由づけ・モチベーション維持が大事になってくるからです。

あとは自分の好みや性格に応じて判断すれば良いと思います。

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