ついに古墳土産を築造!『もずふるサブレ』造っちゃいました。 紙カフェレター その11  妹ともぞう

古墳界において、古墳を愛でるために「古墳用語」があります。
古墳を広める活動を「墳活」といい、古墳仲間を「墳友」と呼びます。
古墳グッズなるものを販売したりするクリエイターを「古墳ビルダー」と表現します。「古墳作家」でもいいんですけども。そして古墳をつくることはつまり築造すること。古墳は造るものなのであります。よって「つくる」は全て「造る」と表現します。

…また前置きが長くなってしまいました。
さてと

今回は『もずふるサブレ』のお話。
「もずふる」とは「百舌鳥古市古墳群(もずふるいちこふんぐん)」の略。まずはこれをアタマに叩き込んでください。「はい、もずふるは~?」「もずふるいちこふんぐん!」これテストに出ます。(なんの)

百舌鳥古市古墳群が世界文化遺産に登録されるかされないか、直前まで堺市・羽曳野市・藤井寺市はザワついていました。

登録されれば、一気に観光客が全国から押し寄せてくる。国内も世界からも。決定してから動くなんて遅すぎる。手立てを考えておかないと。
古墳にドハマリしたのは6年前ですが、実際に紙カフェに商品として並べだしたのは4年前。紙カフェ店主である妹は焦っていました。
「今のうちに体制を整えとかないと、せっかく堺に来てくださった観光客の皆さんががっかりして帰ってしまう」
というのも、堺には「百舌鳥古市古墳群世界遺産登録へ!」の看板・のぼりはあちこちにあるんですが、古墳までの道のり案内や古墳のお土産品がほぼ皆無だったんです。

古墳専門店や古墳のお土産ショップをずらりと並べろとは言わないけど、なんとか、なんとかしないと不味いことになる。
毎回「世界遺産登録、落選」のニュースを聞いてホッとしていました。
まだだ。まだ早い。

登録3年前、地元民の声
「古墳なんて無理なんじゃないの?」「なるわけないよね」「わけわからんわ」

登録2年前

「また落ちたって」「そら(世界遺産になんて)ならんやろ」「あんなんあって当たり前のもんやしなあ」「でも堺市頑張ってるみたいやで」

…なかなか地元の皆さんも熱くはなりません。
そこでまず、●堺古墳祭り▲開催に踏み切りました。
第一回目の開催は2018年5月5日に設定。
下準備として、紙カフェで知り合ったクリエイターさん達に「古墳造って!前方後円墳!」とお願いしまくりました。
さらに2016年からは高槻市にある日本最大の古墳フェス「はにコット」へ毎年出店。そこで仲良くなった作家さんにも声をかけまくります。
「古墳好き」で知り合った人たちの輪がどんどん広がり、「はにこっと」とまではいかないまでも、「こちらもそろそろ、いける」となったのです。

そして、百舌鳥・古市古墳群の目玉となるお土産品を造りたい。という気持ちを強く持つようになりました。今までは文具だったけど、お土産品となれば食べものがいいとかんがえました。古墳型のお菓子とかね。
障害者施設や小さなお店での商品はあったけど、堺のメーカーではまだ発売されてなかったので。

会社としては「チャンス」と感じたと思います。そして自分的には「やらなあかん」と。
姉と一緒に、お世話になっているパッケージデザイナー三原美奈子さんに相談しました。パッケージデザイナーは“売れる”パッケージを提案してくれるプロフェッショナル。みんなが「欲しい!」と思わせる、そんなデザインを期待して。

そうしたら、このタイミングで堺市商工会議所から声がかかります。
「“2017年度 堺の新たなお土産品助成金事業”が始まります。よかったらエントリーしませんか?」
予算が思う以上にかかってしまうことで悩んでいた姉妹には朗報でした。

「ぜひ、エントリーします!」

こうなったら本気で造ろう。「もずふる」なんだから藤井寺市や羽曳野市の方も仲間に入ってもらおう!
羽曳野市のカフェ経営者の女性にイラストを、藤井寺市のグラフィックデザイナーにリーフレットやチラシデザイン、セット売りの「もずふる手ぬぐい」デザインを。
そして大阪のパッケージデザイナー三原美奈子デザインさんに古墳パッケージを。堺の我々がトータルプロデュースを。

サブレには堺・羽曳野・藤井寺から出土した副葬品や、ヤマトタケル伝説などをモチーフにしたイラストをプリント。地域別にイラストを説明したリーフレットを添えました。
パッケージは敢えて中身が見えないように。
シャベルスプーンのシールを開けて、初めて出土品が見える。古墳型のパッケージから“出土する”イメージで仕上げました。

初代もずふるサブレ


構想から完成まで約一年。ここまで来るには、なかなか長い道のりでした。
私たちはパッケージや紙袋、封入するしおりなどの印刷物については、プロですが、お菓子については”ド素人”だったんですよね。
賞味期限や原材料、表示方法に始まるお菓子製造・販売についての知識、サブレ製造元の選定から発注、パッケージングまでのオペレーションの確立、そしてもちろん原価計算からの販売価格決定など、さまざまな越えなければならないハードルが立ちはだかりました。お菓子の商品化がこんなに大変なものとは・・・当初の考えの甘さを痛感しました。
そんな艱難辛苦をなんとかクリアし、もずふるサブレ(初代)がようやく完成!

金の古墳型スリーブもまぶしい、一目で古墳のお土産と解るけど、雑貨物的な可愛さも持つ商品に!パッケージ買い狙ってますよ!
古墳型スリーブは、板紙メーカー『大和板紙株式会社』の「エースの金」を使用。これ、金色に印刷しているんじゃなくて、もともと「金色」の板紙なんです。しかもクリアーな金色じゃ無くて、ちょっとムラがあって鈍い金色!

《大和板紙(株) エースの金》


パッケージによく使われているダイワ板紙さんの紙ですが、「このエースの金だけは全く出なくて💦すごく嬉しいです!」と営業さん。
古墳変態としてはまるで金剛製馬具や金剛製甲冑を思わせる古代的かつ媚びない金色で、そらもう一目惚れしたのです。高貴な古墳感、たまんない。

中身の紙袋はクラフトペーパー
そこに緑と赤をベタ(全体に色を乗せる)印刷イラストだけ白抜きで。そうしたら、白抜き箇所だけ地色であるクラフト色が出るわけです。
クラフトのもともとの地色でかなり落ち着いた色に仕上がり、渋くもあり、可愛くもありで大満足!
ゆる可愛いイラストもいい。思ったよりハッキリと、微妙な色合いも表現できている!サブレ生地も、バターの風味が効いて、サクサクして美味しい♪
これは売れるはず。

●堺古墳祭り▲開催日にも間に合った。当日、デビューさせよう。

●堺古墳祭り▲vol.1チラシ


↑こっちのチラシには間に合わなかったけど…(T_T)

紙カフェレター その12に続く

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