3月19日山本太郎とネットでおしゃべり会のおかしい点

3月19日「山本太郎とネットでおしゃべり会」
ゲスト:田島つよしさん

ツイッター上で3月19日のおしゃべり会の動画が拡散されていて、動画をみた方が消費税はやっぱり廃止だ!という意見が出ていました。

<動画の結論>

・消費税が8%から10%になった事により経営が厳しくなった。
・新型コロナによりジムを継続出来ない状態になりつつある。
・中間申告が中小や個人事業主の資金繰りを悪くする
・消費税を廃止しなければならない


という事でした。

これに対しツイッター上では

「やっぱり消費税は廃止だーーー!」
「消費税の仕組みは勉強になった」
「新型コロナで中小を救う為消費税を廃止する必要がある」

というご意見があります。

ただ、結論からいうとこの動画を見て、

消費税を廃止する事はおかしい

と感じます。

なぜおかしいのか?

動画で主張されているポイントをひとつひとつ見ていきましょう。

ポイント:1
現在15期目
開業当時消費税は5%で「世の中が右肩上がりだった」為、
特に消費税の影響はなかった!
ポイント:2
そして「リーマンショック」と「東日本大震災」は消費税5%だったので無事乗り切れた。
ポイント:3
8%へ増税された時は売り上げは上昇している。
ポイント:4
10%への増税で売り上げが落ちた。
そして11月~2月まで平均を取ると2020年は最終着地が2期目と同等になり開業年度をのぞけば最も低くなる。


この4つのポイントと他の動画での発言を入れおかしい点を確認していき
最終で消費税の一番の問題と動画で
出ている中間申告についてみてみましょう。

ポイント:1
現在15期目
開業当時消費税は5%で「世の中が右肩上がりだった」為、
特に消費税の影響はなかった!

ポイント:3
8%へ増税された時は売り上げは上昇している。

ポイント:2
そして「リーマンショック」と「東日本大震災」は消費税5%だったので無事乗り切れた。

結論から言えば

「8%から10%へ消費税が増税された事により売り上げが落ちた」

その理由として

スポーツジムは「スポーツジムは贅沢なもので世の中で一番どうでもいい業種」という言い回しを田島さんはされてます。

ここで疑問になるのが、スポーツジムは贅沢なもので
一番初めにカットされるのなら、どうして5%から8%へ増税された時(3%もアップしてます)に、売り上げが減少していないどころか向上しているか?

それに対し田島さんは

まだこの時はアベノミクスの効果で売り上げは消費税増税されても顧客対象が富裕層の為影響がなかった。
2017年2018年2019年は売り上げは減少しているがこの理由はアベノミクスのメッキがはがれた。

とおっしゃっています。

うーん。
これは説得力がない。

スクリーンショット (3)

スクリーンショット (7)

※動画内にある田島さんの売上指数
※フィットネス業界紙フィットネスビジネスより引用

これを見る限り業界の売上高は増え続けています。

ただ問題があるとすれば

売上高の規模の増加とクラブ数の増加比率が同等でない

田島さんの売り上げが減っているのは消費税が問題ではなく
・競合が増えてきた事
・格安のサービスが増えた事による市場の変化へ対応しきれていない
これが売り上げが減っている問題の本質です。

経営へ課題がある事の理由
そもそも消費税が原因で売り上げが落ち込んでいるのであれば増税時もしくは増税直前で落ちるべきである
経営へ課題がある事の理由
8%から10%への増税時はそもそも売り上げが減少している状態の為、増税の影響はあったかもしれないが、そもそもの経営戦略がうまくいっておらず消費税増税を売り上げへ転嫁出来ていない為に落ちた可能性が高い

戦略ミスの可能性を検証

田島さんはトレーナーとして優秀であっても経営者として優秀だったかは不明です。
その理由が田島さんの取った戦略です。

田島さんが取った戦略は大きく下記の2つです。

ポイント:1
新規顧客獲得の為にネット広告を追加
特にSEOを強化

ポイント:2
サービスに対する価格の値引き

ひとつひとつみていきましょう。

ポイント:1
新規顧客獲得の為にネット広告を追加
特にSEOを強化
戦略に対する問題点

新規顧客獲得コストは既存顧客の継続に比べ5倍以上コストがかかると言われています。
売り上げが落ちている状態でまずすべきは

「新規獲得ではなく、既存顧客のLTVを高める為にサービスを見直し強化する事」

ケガをして血が止まらない時に輸血をしても意味ないように止血をする事をまずしなければいけません。
反対にLTVを先に高めていると広告を出し新規顧客を獲得した際のレバレッジが効きやすくなります。
戦略に対する問題点

新規を獲得する為SEOへ力を入れたとおっしゃっています。
サイトを拝見する限り、テキストがとても多いサイトになってしまっています。

ホームページ制作の目的は
「サイトを見て問い合わせや見学、体験へ誘導する事」
であるべきとこが
サイトを見てもどんなサービスをしていてどの結果を求める人向けなのかがわからない状態になっています。

本来の目的と違い、手段であるべきSEO順位が上げる事が目的になってしまってる作りになっている為、これでは魅力が伝わらず新規顧客誘導へつなげにくい為、値下げで差別化になってしまいます。
ポイント:2
サービスに対する価格の値引き
ここも競合が増えている状態であればポジショニングやコンセプトを組みなおし、既存顧客のLTV向上へ努めるべきです。
市場の伸び>競合数の伸びとなっていて、資金力のあるチェーンなどが市場へ参入している場合、値下げをせず満足してもらえる方法へ集中して頭を絞る必要があるのに安易な値下げは戦略のミスでしかないでしょう。

ただ
売り上げが伸びなかった事は消費税ではなく戦略に問題があったとしても、中間申告によるお金まわりの課題を考えると消費税は廃止する方が良いのでは?という考えが残ります。

最大の消費税のネックである中間申告をどう考えるか?

消費税廃止の大きな理由として

「中間申告」

をこの動画では大きく取り上げており、これがあるから中小または個人は事業資金が苦しくなる旨の結論へ結びついています。

これは本当でしょうか?

中間申告への回答

結論で言うと
売り上げの減少が発生している中小または個人でなければ問題はない

これに尽きます!

それでも売り上げが減少している場合は問題があるという事ですよね?

確かにこの場合、現金が枯渇する可能性はあります。
それでも消費税を廃止する理由にもなりませんしそれに対しては消費税廃止以外で制度見直しをするべきです。

中間申告の制度見直し

中小や個人の現金が予定納税でまわらない事が経営へ大きな支障が出ているのであれば、消費税を見直さなくても、予定納税を廃止すれば良いのです。
ただ、企業側も資金繰りの目処を付けやすくするなどのメリットもあります。
見直しをするとすれば一定条件をクリアする場合、中間申告は必要としないという形にすればと思います。
その一定条件は
・税理士と月次決算をしている
・メインの銀行に納税用の預金口座を作っている
人により様々な提案があると思いますが、月次で決算をおこない消費税の預り金と支払いの差額を別口座へ置いているのであれば中間申告は必要ないという方法であれば問題を解決出来るのではないでしょうか?

動画での中間申告の問題点のまとめ

スクリーンショット (5)

■動画による中間申告の問題点
中間申告で中小または個人が困っている理由として前年の売り上げに対し中間申告が必要となる!
前年と比べ売り上げが減少している場合、本来の預かり金と支払いとの差額よりも中間の納税額が大きくなる為、お金のまわりが悪くなる
だから消費税を廃止する方がいい!

結論

・新型コロナの影響による売り上げの減少は何らかの処置で救済する必要がある
・田島さんの経営がうまくいっていないのは消費税が増税されたからではなくそもそもの経営手法に問題がある可能性が高い
・中間申告へ問題がないわけではないが消費税を廃止するまで問題があるわけではなく制度を見直す事で対応可能

この動画の内容による消費税の廃止の主張は消費税を廃止する理由にならないです!

※動画へプレゼンしている資料を利用していますがもし問題がある場合は著作権者よりDMをいただけばすぐ消します!




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