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心がぽっかり

また漂流してしまった。
大都会の真ん中で。

そういうきもちになることが
わたしには時々ある。

ひとたびこの
心がぽっかり、にとりつかれると
無心でドーナツを食べてしまうし
電車にものれなくなるし
だれかと話すげんきすらも
みるみるうばわれて
もうじっとしていることしか
できなくなってしまう。

梅雨の雨のように
じっとりとした不安感が
まとわりつく湿気とおんなじように
ついてはなれないままで
困ってしまうことも少なくないな。

にんげんがいちばんこわいとは
よく言ったものだけど、
おばけとおんなじようにきもちとか
やっぱりみえないものもこわい。
みえないからどうこわがったらいいのかも
わからないところがこわいなっと思う。
それに、平仮名のこわいだ。かなりこわい。

でもみえたらちょっと安心する。
やったことはないのだけど
ゲームのぷよぷよみたいに
あぁしあわせだなって積み重なって
きもちがはじけていく。

ぽっかりのさきに
このぷよぷよ現象があることは
分かってきたことだし
ぽっかりさせることに
鈍感でありつづけられる術も
みにつけつつある。

それでもやっぱり
ただじっとぽっかりを眺めているしか
できない日も訪れる。
そういう日もあぁしあわせだなって
思う日とおんなじくらいの価値を
見いだせるようでありたい。



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