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ツーリストシップのハジマリ

ツーリストシップができたトキ

ツーリストシップという言葉を聞いたことはありますか。
われわれ一般社団法人ツーリストシップが2021年1月から提唱している言葉です。
レスポンシブルツーリズムやシビックプライドなど、観光業界に類似語はたくさんありますが、それでも新しくこの言葉を作り、広めようと決心するまでにはちょっとした物語がありました。

当時、私は一般社団法人CHIE-NO-WAを立ち上げ、「観光客と住民のお互いの寄り添い」を謳っていました。(詳細はこちらで)
まずは1対1で時間をとってもらうことから始め、街の集まりや学生の集まり、留学生の集まりなど様々なコミュニティを訪れ、「観光客と住民がお互いに半歩ずつ寄り添うことでもっと素敵な観光地が築けるでしょう?」と、そんな話をしていました。「観光界には、責任ある観光という意味のレスポンシブルツーリズムや住民意識としてのシビックプライドというのがあり、私たちはお互いに寄り添っていくべきです。…」と。

そんな私の話に対してどんな反応があったかと言うと、「なぜ娯楽の旅行に、責任を意識しないといけないのか。」「住んでいる人としてのプライドねえ、、観光客に迎合するプライドってことかい?」…などなど詳細は忘れました。

しっかり覚えているのは、レスポンシブルツーリズムもシビックプライドも、寄り添うという言葉も、なかなか伝わらないということです。何度も何度も入り口でシャットダウンされてしまいました。

もっと、ストンと腑に落ちて、息を吐くように共感できる言葉があったらいいなと。入り口が広くて、考えると深い、そんな言葉があれば、伝わるのに。日々、そう悶々と考えていました。

そしてそれを考えていたのは私だけではなく、私の話を聞いて親身になって考えてくださった方々も大勢いました。2020年の秋から年末にかけて様々な言葉を提案してくれました。その中で、最もしっくりきて、私が気に入って育て上げていきたいと思ったのが、スポーツマンシップから着想を受けた「ツーリストシップ」でした。当時3人くらいの方が提案してくれました。

ですので、実は「ツーリストシップワーク」は私だけの発明品ではないのです。賛同してくださる方々によって生まれた言葉なのです。

ツーリストシップができるマエ

法人を立ち上げたのが2019年10月。ツーリストシップの提唱を始めたのが2021年1月ですから、約14か月ありました。

それまでは、「観光客と住民がお互いに寄り添うためのきっかけ作り」を提唱し、寄り添いの証としてブレスレットを展開していました。

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でも、よくわからないよ、と。新興宗教に勘違いされることもありました。今でも「君の活動はよくわからない」と言われることはありますが、非にならないほど多くの人に「よくわからない」と言われ続けておりました。

ツーリストシップができてカワッタコト

ツーリストシップという言葉を使い、ツーリストシップの普及に活動の軸を移してからは、まず第一に、「そういうことがしたかったのか!」と反応が変わりました。

私としては使う言葉を変えただけですが、伝わり方が180度変わり、賛同してくださる方が激増しました。メディア露出も圧倒的に増えました。仲間も増えました。こんなにも違うのか…ツーリストシップという言葉に出会えたことに感謝です。

第二に、事業内容がクリアになりました。「寄り添いのきっかけ」と話していたころは、自由度が高く、悪く言えば幅が広すぎたため、様々な取り組みをしましたが、各々の関係性や一貫性を認識していただけませんでした。(例えば、地元の人にポストカードを配ったり、大使館にプレゼントを送ったりしました。)

私としては「一貫性があったつもり」だったのですが、伝わらないと意味がないですよね。それに、お恥ずかしながら俯瞰的に全体像を見下ろした中での計画はありませんでした。

しかし、ツーリストシップという枠組みを新たに人々に持ってもらう、それを高めてもらうという目的がはっきりしたので、すべきことの輪郭がはっきりしてきました。詳細はまた別のnoteで書きたいと思いますが、伝わりやすいというのは相手にとってのメリットだけでなく、実は自分自身での再理解につながり、それが活動の解像度につながるのだと感じました。

ツーリストシップよ、ハバタケ

ツーリストシップが、活動を導き、賛同してくれる仲間を連れてきてくれました。だから、私はしっかりこの子【ツーリストシップ】を理解し、考えを深め、しっかり意味付けし、この世の中で羽ばたくまで、お世話をしたいと思っています。


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