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冬の釧路・弟子屈・阿寒 研修レポート 2023年 3月3日(金)~3月4日(土)

■研修目的

冬の道東観光は海外のお客様に大変人気がある。
今回は特急列車で札幌から釧路まで行き、阿寒バスの定期観光バスを利用して効率よく道東の観光地をまわる。
阿寒湖で開催中のあいすランド阿寒を視察し、今後の案内業務に役立てる。

■研修1日目 3月3日(金)

①   札幌 8:52 → 釧路 13:20 (特急おおぞら3号)
②   釧路市内散策 → 釧路市内ホテル 宿泊

1   JRについて

車内はほぼ満席だった。外国人旅行者の多くはトマム駅で下車していた。
窓の外を見ると、列車の到着に合わせるように、すでにトマムリゾート行きのシャトルバスが待機していた。
ビジネスマンの多くは帯広駅で下車していたようだ。
終着釧路駅まで乗車していた人は少なかった。

2 釧路駅について

駅構内には北海道四季彩館、釧路市水産加工業協同組合直売所、コンビニ、パン屋、喫茶店、待合所、トイレ、コインロッカーがある。
みどりの窓口に隣接する形で観光案内所がある。ボランティアの女性が一人で案内されていた。とても親切に対応していただき、安心して旅の相談することができた。
釧路市観光案内所 JR釧路駅 営業時間 9:00~17:30 (年末年始休業)                  
         ※1人体制の場合は12:00~13:00はお昼休み

3 和商市場

 釧路市黒金町13丁目25
   営業時間 8:00~18:00 ※ 1月~3月は8:00~17:00  日曜定休

午後に訪れたので、商品が少なかったが、鮮魚をビニール袋いっぱいに買い求める客や海鮮丼を楽しむ外国人観光客の姿もあった。
鮭や自家製の干物を扱うお店では魚について詳しく教えてもらえる。
自社工場で魚をさばき、血抜きをしているので、鮮度が違うとのこと。
脂がのった肉厚の羅臼産のホッケや国産のサバの干物はプロの目利き人も驚くほどのおいしさだそうだ。

「うちはこういうものを求めている客が来るところだ。」と社長が見せてくれたのはふるさと納税の返礼品に選ばれている時鮭。
一般的に鮭は産卵の時期である秋から初冬にかけて獲れるが、時鮭は春から夏にかけて捕獲される。帰って来る時期を知らないということで、時鮭・時不知(ときしらず)と呼ばれる。希少価値があり高級品だ。

駅から徒歩5分
市場おすすめタンチョウソフト

4 幣舞橋 釧路市北大通 

幣舞橋は釧路川河口にかかる橋だ。釧路の夕日はインドネシアのバリ、フィリピンのマニラと並んで世界三大夕日と称されている。
釧路駅観光案内所のボランティアさんに写真を撮るなら少し早めに行って、撮影スポットを確認しておいた方が良いとのアドバイスを頂いたので、日没の30分位前に出かけた。すでに写真愛好家や観光客が立派なカメラを構えて待機していた。

この日の夕方は風が冷たく、顔や手が痛かった。雲がかかっていたのが残念だったが、夕日を見ることができた。
やはり釧路では幣舞橋が一番の観光スポットではないだろうか。違う季節にまた訪れたいと思った。

幣舞橋Cool KUSHIROモニュメント
舟越保武 「春の像」
佐藤忠良 「夏の像」

■研修2日目 3月4日(土)


阿寒バス 定期観光バス 「ホワイトピリカ号」

釧路駅前 8:30発 →鶴見台 景勝時間20分 → 砂湯(屈斜路湖)景勝時間20分 →硫黄山 景勝時間30分 →昼食・道の駅(摩周温泉)→
摩周湖第一展望台 景勝時間30分 →阿寒湖温泉(あいすランド阿寒)→
たんちょう釧路空港 → 釧路駅前 →MOOバスターミナル → 釧路プリンスホテル 〈所要時間 9時間30分〉

鶴見台 鶴居村下雪裡 

国の特別天然記念物であるタンチョウの保護を目的として鶴見台では冬季間に限り、餌付けをしている。(朝と午後2時30分の一日2回)
タンチョウを見るならば、1月~3月がベストシーズンだ。

運がよければ求愛ダンスも見ることができるそうだ。バスガイドさんの話によると、鶴は夫婦愛の象徴と言われているが、片方が事故や病気で亡くなると、新しい再婚相手を探すそうだ。

どれみふぁ空

鶴居村下雪裡17-18  営業時間 10:00~16:00  火曜、第3水曜定休日

1階がレストランと土産屋、2階はギャラリーとなっている。
鶴見台の向かいにあるので窓から見える景色が素晴らしい。
雪の妖精シマエナガも見ることができた。(残念ながら、カメラに収めることはできなかった)

土産物屋ではJAL国際線のファーストクラスで採用されたチーズ「鶴居プレミアムゴールドラベル」等を販売している。

砂湯(屈斜路湖)

川上郡弟子屈町屈斜路湖畔砂湯

屈斜路湖は国内最大級のカルデラ湖だ。
火山噴火後にカルデラが形成され水が溜まってできた湖だ。
(カルデラとはスペイン語で「鍋・釡」という意味)湖畔には砂湯がある。
砂浜を掘ると、温泉が湧き出てくる。

冬期間はシベリアから渡って来たオオハクチョウを見ることができる。
屈斜路湖はクッシー騒動で一躍有名になった湖でもある。
昭和48年夏、屈斜路湖に怪獣が出現!体長10メートル、目は銀色で肌は黒に近いチョコレート色、北見市の中学生が双眼鏡で発見したそうだ。
次々と目撃者も現れ、新聞紙面を賑わした。クッシーは人間に迷惑をかけることなく夢やロマンを与えてくれた。良い時代だったのだろう。

レストハウス レタラチップ 
土産物販売 温泉卵等 無料温泉飲料水 有

硫黄山

川上郡弟子屈町

硫黄山は標高512メートルの活火山だ。植物がほとんど生育しない岩だらけの地表であるためアイヌ語でアトサヌプリ(裸の山)と呼ばれる。

轟音とともに噴き出す白い噴煙は迫力がある。噴気孔の数は大小あわせて1,500以上あると言われている。噴煙の近くまで歩いていくことができる。
噴気孔の周辺には黄色い硫黄の結晶が見られる。途中、石や大きな岩があるので、歩きやすくて、汚れてもいい靴を履いていくことをお勧めする。

6月頃には硫黄山の麓に白く可憐なエゾイソツツジの花が咲く。
川湯温泉街から硫黄山まで全長2.5kmのつつじヶ原自然探勝路が整備されている。秋には硫黄山周辺の木々が紅葉する。

硫黄山駐車場とは反対側の中腹にはすり鉢状の大きな穴がある。
(1854年の噴火でできた爆裂火口)
アイヌの人々が熊を追いつめ落としたという話があり、通称「熊落とし」と言われる。

硫黄山の登山は、過去に落石事故や滑落事故があったため禁止となっていたが、一部で可能になった。認定ガイドが引率するトレッキングツアーが開催されている。

見学後、バスの中でガイドさんは、硫黄山の歴史について説明してくれた。本格的な硫黄採掘が始まったのは明治9年のことだった。明治18年に標茶に集治監が設けられると、囚人たちが硫黄山での過酷な労働に駆り出された。噴出する硫黄の粉と亜硫酸ガスの影響でわずか半年の間で150人が目の病気になり、42人は死亡したという記録が残されているそうだ。

昼食 道の駅 摩周温泉

弟子屈町湯の島3丁目5番5

1階 観光案内所、パンフレットコーナー、土産物屋、ギャラリーがある。2階スペースが定期観光バス利用者専用の昼食会場。
JR釧綱本線 摩周駅前ぽっぽ亭特製「摩周の豚丼」を頂いた。
豚丼が苦手な人は天丼に変更することができる。

観光案内所 
営業時間 8:00~18:00  (5月~10月)  9:00~17:00   (11月~4月)
道の駅 摩周温泉観光インフォメーションデスク / (社)摩周観光協会

摩周湖第一展望台

摩周湖はアイヌ語で「カムイトー」神の湖と言われる。
周囲20km、水深212m。周囲は崖に囲まれていて湖畔に降りて行くことができない。また第一展望台と第三展望台は存在するが、第2展望台は存在しない。崖の傾斜があまりにも急で危険なため建設計画は幻と消えたそうだ。

摩周湖は昭和6年、シベリアの真珠「バイカル湖」を抜いて世界第1位の透明度41.6mを記録した。しかしその後、ヒメマスやニジマスの放流によりプランクトンの量が増加したため、その透明度は低下して現在は平均23m前後となっている。それでも国内有数の透明度を誇る。

1年のうち100日以上は霧に覆われていると言われているが、晴れた日には摩周ブルーと呼ばれる美しい湖を見ることができる。

摩周湖カムイテラス 
営業時間 8:30~17:00 2022年夏オープン。
テラスのウッドデッキからは摩周湖を一望できる。
屋上テラスは悪天候を除き24時間開放している。

土産物屋では弟子屈町のブランドいちご「摩周ルビー」を販売している。
温泉地熱を利用しているためコストを抑えた通年生産が可能だ。
東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランドが栽培している。その他には摩周ブルーソフトクリームが有名だ。

阿寒湖

マリモで有名な湖。マリモは山中湖や川口湖でも発見されているが、大きくて丸いマリモが見られるのは阿寒湖だけだそうだ。
大正10年3月3日 天然記念物に指定、昭和27年3月29日 特別天然記念物に指定。

あいすランド阿寒 (阿寒湖温泉) 
営業時期 1月~3月 釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目5-10 

結氷した阿寒湖の上で冬のアクティビティを楽しむことができる。(氷の状態による。)
この日実施していたのはワカサギ釣り、バナナボート、スノーモービル(2kmコースのみ、1周約5分 1,650円)
定期観光バス利用者は1割引の特典あり。

バスは阿寒湖を最後に釧路空港、釧路駅へと向かった。
週末は北海道で自然を満喫し、飛行機で東京に帰り、日曜は自宅でゆっくりして月曜から仕事という方もいた。

定期観光バスは充実した休日旅が可能だ。
これだけ多くの観光地を公共交通機関やレンタカーでまわるのは難しい。
所要時間9時間30分の長いツアーではあるが、ガイドさんのお話や歌が素晴らしく、あっという間の1日だった。
冬道の運転はプロのドライバーさんにお任せして快適なバスの旅を是非楽しんでもらいたい。 

釧路駅 18:59 → 札幌駅 22:58 (特急おおぞら12号)

18時を過ぎると、駅弁は完売していた。
この日は列車がシカと衝突したため、20分遅れの出発となり、札幌駅には遅い到着となった。

冬の道東は見どころがいっぱいあるので、多くのお客様にご案内していこうと思う。(reported by RK)

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