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観光施設で外国人がつぶやいたコトバ。

足踏み状態が続いていますが、新しい情報を集めることは変わらず続けています。気になることを深堀りして、新たな発見があると、まだまだ知らないことが多いと感じさせられます。知識を持っている仲間の皆さんから教えてもらったり、専門家の講義を聞いたりしながら、ひたむきに学んで行きたいと思います。

これまで、多くの関係者の皆様から、教わったことは数えきれないほどあります。

エージェント様からは、アテンドやガイドのお仕事についての基本を教えていただきました。

自治体様や観光関連の事業者様からは、それぞれの地域が持つ魅力や伝統・文化などについて、また専門の領域に関して解説いただくこともありました。

そして何より、お客様である外国人から教わったことも少なくありません。これまで15年間、外国人の隣で、彼らの本音を耳にしてきたことは、私にとって、かけがえのない財産となっています。


日本人とは少し異なる視点を持っている外国人から教えてもらったことを、ずっと書きためています。これらを私が独り占めするのはもったいないので、少しだけ紹介させてください。

某所で、工芸品や美術品などが展示されているミュージアムをご案内する機会をいただきました。ずいぶん前に訪れた施設なので、手持ちの資料では心許ないので、下見をすることにしました。

私が下見する場合は、基本項目に加えて、ガイディング上の様々な場面を想定して現場を見てきます


どのような内容に興味を持っていただけるだろうか?
施設側がおすすめしている展示はどれだろうか?
必ず見ておいた方がいい内容・展示品はどれだろうか?
興味を示されないお客様の場合は、どこをご案内すればいいだろうか?
興味を示されるお客様の場合は、どのルートがいいだろうか?
時間配分はどのようにすればいいだろうか?

など、チェック項目は数多くあります。


そして今回取り上げている施設の多言語表記は、
展示品の名前は、日・英の二か国語表記、
展示品の詳しい解説は、日本語表記のみ、
でした。

展示品毎の解説は日本語表記のみなので、ガイドを雇っていただいたと理解し、ある程度までは英語でご案内できるよう、事前に専門用語を調べたり、周辺知識を収集するなどの準備をしておきました。

さて、いよいよ外国人のお客様をご案内することになり、日本語解説を英訳した紙の資料が入ったクリアファイルを貸し出してくださいました。英語の資料をお読みになりたいかお聞きしたところ、

「 字が小さくて読みにくいから、資料は読みたくない。」とおっしゃいました。

こちらのお客様は、飛行機はファーストクラス、ホテルは五つ星、いわゆる富裕層と呼ばれるようなゲストでした。

これまで世界中を旅してきたお客様にとっては、地域を代表するような観光施設で、日本語の解説しかなかったことに、少し驚きがあったようです。世界基準で日本の観光施設を見ていたのでしょう。

展示品は一流の工芸美術品、手渡ししていただいた資料は素晴らしい内容でした。その英語表記が展示品の横に最初から表示されていたら、もっと滞在時間が長くなっていたかもしれません。


個人差があるので、興味関心が深い方にとっては、資料を持ちながら、じっくりと展示品を眺めることには何の抵抗も感じないどころか、むしろ隅々まで熟読して楽しむお客様もいらっしゃるはずです。

私がご案内したお客様の場合は、「この施設は外国人に来てもらいたくないのでしょうか?」というような発言をされておりました。

館内では、英語で丁寧に展示解説をさせていただきました。地域の関係者がイチオシの施設でしたので、外国人にもっと訪れてもらいたい場所であると、地域プロモーションを一生懸命させていただきました。後日、エージェント様経由で、嬉しいフィードバックをいただきましたので、結果的には喜んでいただけたと思っています。

このような外国人の心の声は、アンケートや後日フィードバックを得られにくいものも含まれています。また、プロモーショントリップなどでは、あまりネガティブな感想が得られにくいという性質もありますよね。

他の例では、このような施設もありました。
多言語表示パネルも解説も完璧、とてもオシャレな施設だったのですが、玄関を入ったところに喫煙所が設置されていました。ハイヤーを横付け、玄関に入った途端にタバコの匂いが漂い、お客様はかなり困惑し、口を覆い、眉をひそめていました。

その結果、残念なことに施設だけでなく、その地域に対する印象がかなり悪くなってしまったということもありました。タバコの匂いに対する抵抗感が、わたしたちが思っている以上に大きいことに気付かされました。

訪れてもらいたい観光地や施設では、改めていろいろな視点でチェックされてはどうでしょうか?  

外国人から教えてもらったことや、インバウンドの現場経験で気づいたことなどについて、また機会があれば紹介したいと思っています。もし何か質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。


 



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