会社の人間の話

わたしは営業事務の仕事をしている。

営業さんは外での仕事が多いためオフィスにはほぼほぼ事務の女性たちしかいない。そんな中わたしは社歴、年齢ともに最年少で事務の女性達には全く好かれていない。

そして事務の女性の中でわたしのことを特に毛嫌いしている人がいる。名前をレバーさんとする(わたしの嫌いな食べ物だから)。

それはもうべらぼうに嫌われている。わたしのミスを見つけては鬼の首でも取ったかのように意気揚々とわたしに指摘してくる。

ミスも少なくなってきたある日、レバーさんはやってきた。

「これ、何でこのファイルに入れてるの?」

レバーさんが手に持っていたのは一枚の受領書。

わたしたちには、他社から届いた納品書と受領書をそれぞれ分けてファイルに入れるという業務があるんだが、その作業をしたわたしのところに、レバーさんはたった一枚の受領書を持ってやって来たのだ。どうやら納品書のファイルに受領書を一枚紛れ込ませてしまっていたらしい。

そのミスに対して、なんでと理由を問われたのだ。

間違えた以外ない。


レバーさんが同じミスをしたわたし以外の事務員にも毎回注意しているのなら、わたしは素直にこの指摘を受け入れたと思う。

御察しの通り、わたしにだけなのだ。しかもこの作業はそれほど重要じゃなくて、受領書と納品書紛れてしまうこともまちまちあるので、気付いた時に気付いた人がそっと直しておくような作業なのだ。

もうめちゃくちゃに嫌われているとしか思えなかった。

レバーさんはわたしのこの小さなミスを見つけて嬉しかったに違いない。


そんなレバーさんにわたしが願うことはただ一つ


早く寿退社してください。

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