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ゼロぐらいから理解する「Runin《ルーニン》」

Devils×Devilと(やんわり)繋がっているから「コモドドラゴンを放てッ」は実質タフ語録とも言える。

Runinルーニン」とは

Runinルーニン」はシリーズ累計発行部数1000万部突破の大人気格闘漫画 タフシリーズを手掛ける猿渡哲也先生が2015年~2015年にかけて週刊ヤング・ジャンプにて連載していたポストアポカリプス・チャンバラ・アクション漫画である。

本記事では猿渡先生がヤンジャンを追い出されることになった要因の一つとも言えるRuninルーニン」のキャラクター、設定についてゼロぐらいから理解させるつもりで解説していきます。

個人的には「レイベン戦がアカン……」←コレに尽きる漫画。相変わらず猿渡先生の戦闘描写は最高だし諸々設定は結構好みなんだけどなぁ。あと「コモドドラゴンを放てッ」と双璧を成す(と勝手に思っている)Runin語録「はあ?なにやってんだ それおかしいだろジャップ」が読み切り版の台詞なので短編集か何かに収録して欲しいです。


あらすじ

大災害が世界を覆い尽した未来のニューヨーク・マンハッタン──。暴力が秩序に代わり、正義は崩れ、感情は風化した…。そんな時代に生きるふたりの日本人、タケルとガモン。ふたりが斬り拓く理想とは──。荒廃した世界で繰り広げられる近未来アクション!!

引用:Runinルーニン

■ クッソ雑な要約
荒廃した世界で生き抜く2人の剣士の物語。

ストーリー・ラインとしては
世界観説明→中ボス戦→コモド→ラスボス戦→

おわり。


レイベンがクルクル回ってるだけで約1巻ほど消費はまずかったと考えられる。


主要キャラ

■ タケル
本作の主人公(正直ガモンの方が主人公っぽい)。
片足の少年(13歳)であり、作中登場する数少ない日本人。
バッテリー式の筋電義足を所持しており、戦闘時に装着して日本刀で闘うサムライ・ボーイ。マンハッタンの人間からは「日本人ジャパニーズのタケル」と呼ばれている。
普段はメランツァーネというイタリア料理店のマスターの元で用心棒&手伝いをしており、浮浪児童ストリートチルドレンと協力し合いながら生活している。

両親とは赤ん坊の頃に死別しており、同じ日本人であるガモンという男が育ての親である。ガモンは凄腕のサムライでタケルに刀と義足を与え、幼い頃から殺しの英才教育を施してくれたが、その目的は彼がタケルの父親を決闘で殺めた贖罪として…真剣勝負で"タケルに殺される"ことであった。そんなガモンの考えが理解できないタケルは何度も衝突を繰り返している。

だが、物語終盤に差し掛かるとこのガモンが語っていたタケルの親との決闘関連はすべて作り話であることが判明する。
実はタケルの本当の父親は白人武装集団アーリアン・ファミリーのボス、ビッグ・アイであり、ビッグ・アイが自身と同じ忌むべき存在である"破滅の子"として生まれたタケルを部下を使って抹殺しようとしたところをガモンが助けたのが出会いであり真相だった。ガモンはこの事実を隠すことでタケルとビッグ・アイを近づけないようにしていた(にしても回りくどすぎる)。

最終決戦でアーリアン・ファミリー本拠地ビルでのガモン対ビッグ・アイの戦いに乱入した時にビッグ・アイの口から自身の出自を知り、"破滅の子"は存在するだけで災いを起こすとして再び殺されそうになるが、隙をついてビッグ・アイの片目を負傷させガモンの勝機を作る……が、既にガモンも瀕死であり、相打ちのような形でガモンもビッグ・アイも死亡。

エピローグでは自身の半分のルーツでありガモンの故郷、
日本を目指して旅立った

……手漕ぎのボートで。

(流石にマンハッタン島出るまででしょ…多分)

タケルの存在は物語のキーマンなんだけど、戦闘ではガモンに助けられてばっかりだし、ネームド撃破ゼロなのがね……せめてレイベン戦くらいはタケルに勝たせてほしかった。
2巻もほとんどがガモンとビッグ・アイの話ばっかりなので実質Runinルーニンの主人公はガモンなんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

武器・使用技
「カタナ」:タケルの持つ日本刀。哀しみのレイベン戦で折れてしまう。スペアがあったのかアーリアン・ファミリー本拠地ビルでの戦いで同様?のカタナを装備している。
「スーパー義足」:バッテリー式の特注義足。ハイパワーで1時間、ローパワーで6時間しか使用できない。バッテリーはソーラーパネルで充電する。稼働時間に問題を抱えているので戦闘時以外は松葉杖を使っている。哀しみのレイベン戦で破損したためホーキング・山田によって修理・強化された。


菊乃我門キクノガモン(通称:ガモン)
「我らは闘う運命にあることを忘れるなッ」
本作第2の主人公(実質主人公)。
マンハッタンのギャングからは「人斬りガモン」と恐れられている隻腕の剣士。タケルに義足と刀を与え、幼少期から人殺しの英才教育を施した育ての親。自身もバッテリー式の義手を装着し、卓越した剣技で他を寄せ付けない実力を持っている。どのギャング組織にも所属せずに自警団をやっている。

彼の目的は"タケルに殺される"こと。

過去に相容れぬよんどころのない事情からタケルの父と決闘を行うことになり、命を奪ってしまった贖罪、ケジメとしてタケルに闘う力を与え、決闘の末に殺されることを望みとしている。
そのため、住人に自警団をやる見返りとしてタケルの身に危険が迫ったら赤い狼煙を上げてくれと頼んだり、陰ながらかなり過保護にタケルの成長を見守っている。
(このあたりの回りくどい過保護さはタフシリーズの静虎に似ていますね)

……という諸々序盤に語った内容はすべて、タケルの出自を唯一知る者として、本当の父親であるビッグ・アイからタケルを遠ざけるためについた嘘。

決闘云々も作り話であり、10年以上前にビッグ・アイの追手によって殺されそうになっていた赤ん坊のタケルを保護して死を偽装したのが真相。あのビッグ・アイの息子で"破滅の子"でもあるタケルはいずれ親子で殺し合うことを危惧し、あえて自分を仇だと騙ってタケルを鍛え、その成長を見守っていた(ここらへん非常に回りくどいのとタケルの父や"破滅の子"についてガモンが最初から知っている風なのがかなり謎なんだ)。

作中タケルのピンチの度にアンパンマンの如く現れ、その窮地を救ってきたが、終盤にはビッグ・アイから部下になれという勧誘が苛烈になり、このままだとタケルが人質として狙われることを危惧して完全武装で単身アーリアン・ファミリー本拠地ビルに乗り込む。
相手は100人を超える構成員を抱えており、さすがにガモンも多勢に無勢の状態で徐々に押されていくが、救援に向かったタケルとマスターの助太刀、便乗して乗り込んできた黒人系ギャングの混乱に乗じてついにビッグ・アイの待つトップ・オブ・ザ・ロックにたどり着く。

今までの負傷による消耗とビッグ・アイの未来視に苦戦し、一度は瀕死の状態まで追い込まれるが、ビッグ・アイが乱入してきたタケルを殺そうとすると最後の力を振り絞って立ち上がり、真・菊一文字によってビッグ・アイを胴から両断、自身も大量出血で死亡……相打ちとなる。

エピローグでは真・菊一文字が彼の墓標となっていた。

武器・使用技
「日本刀」:普段使用している本差と脇差。ビッグ・アイに両方とも折られた。
「真・菊一文字」:ビッグ・アイとの決戦時に持ち込んだ3本目の日本刀。普段は自宅に保管されている。
「筋電義手」:左腕に装着する筋電義手。ホーキング・山田製であり、アーリアン・ファミリー襲撃時に戦闘用にアップデートされた。
「四段突き」:一瞬で相手を四回刺す神速の突き。ビッグ・アイ戦では義手の延長ギミックでリーチを伸ばして打ち込んだ。


■ マスター
「チィッ なんだってコモドドラゴンなんか飼ってるんだよ」

イタリア料理店「MELANZANEメランツァーネ」のマスター。
タケルを用心棒バウンサーとして雇っており、ガモンとも交流がある。

マンハッタンの荒くれ者やギャング相手にも動じず、必要とあらば手投げナイフで応戦する武闘派の店主。

常日頃からガモンの頼みでタケルを見守っていたが、タケルがアーリアン・ファミリー本拠地で戦うガモンの救援に向かう際に同行。損得勘定で生きてきた彼はビッグ・アイに兄を殺された哀しき過去を持ちながらも仇討ちなんて意味がないと思っていたが、ガモンとタケル……2人のサムライの妙なアツさ(意気)にあてられて感情優先で協力することに。
タケルをサポートしながらアーリアン・ファミリーの構成員と解き放たれたコモドドラゴンに投げナイフで応戦し、無事生還した。

そりゃビル内にコモドドラゴンの大群が出てきたらみんなマスターと同じ反応すると思う。


サブキャラ

■ トワ
タケルが面倒を見ている浮浪児童の少女。他の浮浪児童からは姉として慕われており、タケルも思いを寄せている。一応本作のヒロイン……か?
普段は売春宿でベビー・シッターをしている(客の相手もしてくれや ブヘヘヘヘ)。
1話で奴隷商人のスネークに捕まってしまってしまうが、タケルと救援に向かったガモンによって救われる。

以降は哀しみのレイベン戦の7話から最終話まで猿空間送りに。

全編通して直接話に関わることはなく、空気を超えた空気のまま本作が終了してしまった……ヒロインとは?


■ バン
タケルが面倒を見ている浮浪児童の1人。
トワと共に普段は売春宿でベビー・シッターをしている。

奴隷商人のスネークの一件で捕まりそうになり、ギリギリのところで逃走に成功するがそれはスネークの罠であり、浮浪児童の居場所を掴んで捕獲するためのオトリにされてしまった。
タケルとスネークの戦いのさなか、弾かれた武器から仲間を身を挺して守ろうとして右腕を失ってしまう。
最終的にガモンの治療と薬で一命は取り留めることになる。

以降は最終話まで猿空間送りに。


■ マネー
タケルが面倒を見ている浮浪児童の1人。
トワと共にタケルVS哀しみのレイベンの戦いを目撃し、助けを求めてガモンを呼びに行った……まま最終話まで猿空間送りに。

クッソ治安の悪いRuninルーニン・ワールドでこの名前は些か危険な気がするのは私だけだろうか?


■ ホーキング・山田
キャタピラ式の車椅子に乗る自称天才科学者。
タケルとガモンの義足・手は彼が作成したもの。つまるところRuninルーニン世界におけるゴア博士枠。

レイベン戦で壊れたタケルの義足を強化修理してくれるシーンで登場。

核兵器によって汚染されたマンハッタンの線量を計測しながら住みにくくなった世界を憂いたり、俺達日本人だけなら協力して復興できるのに多民族だとまとまるもんもまとまらないと愚痴をこぼしていた。

名前的に日系アメリカ人なんだろうか?

余談
タケルのスーパー義足は当初ハイパワーで1時間しかもたなかったが、ホーキング・山田による強化後は稼働時間を6時間まで延長(ローパワーならソーラー・エネルギーだけでまかなえる)。軽量化で瞬発力も60%向上技術革新レベルの性能アップを遂げている。天才を超えた天才。


敵キャラ

■ 名無しの荒くれ者
1話の雑魚キャラ。
棒に回転刃を付けた武器を得物とする小太りの荒くれ者。マスターに自身を用心棒バウンサーでとして雇えといい、代わりに食料や酒、女をよこせと脅迫めいた交渉を持ちかけてきた。
そこへの既に店の用心棒バウンサーであるタケルが現れ闘いを挑むが相手にならず右腕を切断されてしまう。最後はトドメを躊躇したタケルを不意打ちするが、マスターの投げナイフが後頭部に突き刺さり絶命。死体は路上に捨てられ野犬やカラスの餌となった。

彼の武器は回転刃に動力がついていないっぽいのだが、あれだと固定した方が良い気がする(振り回しても刃部分にテンションがかからない)。冒頭でやられる雑魚キャラだが、この武器で人の手足や首を切断できるあたりパワーだけは本物だと考えられる。


■ 奴隷商人のスネーク
1話の雑魚キャラ その2。
武器がめちゃくちゃ三爪痕トライエイジに似てる。主に臓器売買ブローカーや小児性愛のヘンタイを商売相手に人を捕獲しては売りさばく極悪人。
作中ではタケルが面倒を見ている浮浪児童ストリートチルドレンを標的に定めたが、タケルの抵抗にあって劣勢に陥る。何とか大人と子供のパワー差で押し切ろうとするが、そこにガモンが現れて仲間は全滅。
そして、ガモンの出現に動揺した隙にタケルによって腹を切り裂かれ瀕死の状態となるが、スネークは頭だけになっても生きていられると臓物をぶちまけながらタケルを殺そうとする(タフって言葉はスネークさんの為にある)。結局、背後から迫ったガモンに首をはねられて死亡した。

最初の荒くれ者とスネークさんもトドメはタケルがささなかったあたり(コモドドラゴンの話はするな、ワシは今メチャクチャ機嫌が悪いんや)、猿渡先生はタケルに最後まで殺しをさせたく無かったんですかね?

スネークさんはほぼタケルが殺したようなもんだけど。


■ 哀しみのレイベン
特殊合金製の唐笠帽子・マスク・マントを身に纏った殺し屋。
本作の中ボス・ポジション……出るの早くない?
職業柄その身は常に死臭が漂っており、彼の行くところには屍肉を求めてカラスが飛び回っている。また、自身の女房と子供まで殺して食ったという噂まであるイカレ野郎(確かに事実ではあるんだが……)。

作中では白人武装集団"アーリアン・ファミリー"のボスであるビッグ・アイの依頼でガモンを狙い、彼を誘き出すだめにタケルを襲った。

全身刃物人間であり、戦闘スタイルはマント状の特殊合金ブレートを自身を中心に回転させながら突っ込むというシンプルなもの(人間ベイブレード)。高速回転する刃のせいで近づくことが困難であり、回転に守られていない足元や頭部もマントと同じ素材の防具でカバーしている。
迂闊に接近は出来ず、刀は高速回転する刃はじかれ、どこにも隙がないレイベンの攻防一体の戦法にタケルは手も足も出ず、刀と義足を破壊されてしまうがそこにマスターが焚いた赤い狼煙を見て駆け付けたガモンが現れ交戦。
ガモンも最初の方は苦戦していたが、回転の一瞬の隙にマントの一枚をめくりあげ、奥義である"四段突き"でそのままレイベンの急所を貫いて勝利した。

致命的を負い、仰向けに倒れたレイベン。多くの人の命を奪ったレイベンをタケルが詰るが、ガモンがレイベンのマントを切り裂くと、マントの下はパワード・スーツで補助こそされてはいるが、彼には両腕がなかった。

~ 哀しき過去 ~
元々レイベンは代々警察官の家系であり、正義感あふれる人物であったが、彼に恨みを持つアーリアン・ファミリーに捕まってしまい、仲間になるよう拷問を受けていた。どれだけの痛めつけられても折れないレイベンを見てビッグ・アイは彼の両腕を切断。が、すぐに治療を受けさせ食事まで用意するという不可解な行動を取る。
レイベンは離れ離れになった妻と子供に会うため、何としてでも生き延びようとビッグ・アイが用意した食事を這いずりながら食らうが、その料理の素材は彼の妻と子供。
回復後にそのことをビッグ・アイに告げられ、ついに心が壊れてしまい、殺し屋としてビッグ・アイに洗脳され従うようになる。
ーーー

今間の際、多くの命を奪った自分は地獄に行くから家族に会えないと諦めていたが、ガモンから「死ねば誰もが仏になる」という日本の教えを聞き、一縷の希望を得て息を引き取る。

こうして哀しみのレイベンは解放された。

余談
3話で登場、4~8話にかけてレイベンがひたすらクルクル回っているだけの戦闘が繰り広げられ、そのあまりにもの塩試合っぷりがRuninルーニン打ち切りの原因だとファンから言われている。
せめてタケルがガモンの奥義を土壇場で成功させて勝利とかなら良かったんだが……。

あと、パワード・スーツと特殊合金マントを使った戦い方は技術介入度が低そうに見えるので、レイベン以外の奴でも同じくらいの強さになる気がする。
ビッグ・アイは何故、レイベンにあそこまで執着したんだろう?
ガモンも執拗に狙っていたので高潔な精神を持った人間の心をぶち壊すことが趣味なのかもしれない。


■ ビッグ・アイ
「俺はほら 未来しか見てないから」
"神に選ばれし者" 本作のラスボス。
白人武装集団アーリアン・ファミリーのボス。頭部の半分ほどが機械に覆われており、レール稼働する義眼を装着している(ジオンMSみたいっスね)。

レイベンを拷問、彼の母子を殺害して洗脳した張本人であり、冷酷非道の人物。神に選ばれし者としてマンハッタンを復興・支配することを目的とし、作中では知性と品性を持ちつつ主に絶対忠実なサムライという最強・最高の部下を求めてしつこくガモンを勧誘し続けた。

ヒルデガルド・フォン・ビルゲンの血を継ぐ者であり、"破滅の子"としてこの世に生を受け、未来を見通す力を持っている。
(最初 ~フォンまででググったらフロイライン・マリーンドルフの方がいっぱい出てきたのはナイショだ)

そして、本人もガモンのアーリアン・ファミリー本拠地ビル襲撃までは気付いていなかったが

実はタケルの本当の父親。

今から10年以上も前、強姦した日本人の女性との間にタケルを授かったが、自身と同じ"破滅の子"であると知ると部下のキーバを仕向けて母共々殺害しようした。
しかし、ガモンがキーバを倒してタケルの死を偽装したことでその時は完全に息子が死んだものだと思っていた(あれ?未来視は?)。

終盤ではアーリアン・ファミリー本拠地を襲撃したガモンをビル屋上のトップ・オブ・ザ・ロックにてパワード・スーツと西洋剣で武装した状態で迎え撃った。
"破滅の子"の未来視とパワード・スーツで強化された肉体でガモンを瀕死の状態まで追い詰めるが、乱入してきたタケルに片目を潰され、最後の力を振り絞り立ち上がったガモンの真・菊一文字の一振りで胴体を両断された。

壊れる前のレイベンに言った「未来しか見てないから」は煽りっぽいけどちゃんと未来視の伏線になっていたり、義眼のギミックも凝っていてかなり丁寧に作られたキャラな気がする。
ガモンとの日本刀VS西洋剣の対決も迫力があって、2巻の最終決戦が魚の雨が降る中というかなりのモンキー・シチュエーションなのにそれが気にならないくらい面白かった。

やっぱしレイベン戦が悪いよレイベン戦が。

余談
やたら日本人やサムライの文化に詳しかったので、もしかすると結構な日本オタクだったのかもしれない。
また、タケルと幼い頃のビッグ・アイはうりふたつらしい……タ…タケルも将来あんなゴツイおっさんになるのん?


■ カディンスキー
ビッグ・アイの側近であり、アーリアン・ファミリーのNo.2。
ガモンをアーリアン・ファミリーに引き込むために直接交渉に出向いたが、タケルをいつでも殺せると挑発したため一瞬で鼻を削ぎ落され、部下全員が斬殺される(あんな挑発したらこうなるのは当然なんだよなぁ)。
その場はガモンにビッグ・アイへのメッセンジャー役として生かされることになる。

アーリアン・ファミリーの本拠地に逃げ込んだあとはビッグ・アイから自身がガモンに首をはねられ殺される未来を伝えられる。ガモン・黒人ギャングの襲撃の際には破滅の未来を恐れて慎重に行動していたが、結局ビッグ・アイが予見したとおりガモンに首をはねられ殺された。

この時ビッグ・アイは自分の読み通りになったといい、ガモンへの勝利を確信していたので、カディンスキーの死はゲームでいうフラグ管理みたいなものだったと考えられる。


炎の門番ゲート・キーパー
「ジャップと言えばテリヤキだろう」
アーリアン・ファミリーの1人。
アーリアン・ファミリーの本拠地ビルを襲撃したガモンを火炎放射器で迎え撃った。

逃げ場のない廊下を火炎放射器で焼き尽くすが、隣の部屋に退避してコネクティング・ルームをつたって横から現れたガモンに顔面を輪切りにされる(何でガモンがビルの構造知っててコイツは知らないんだよ)。

台詞のモンキー・エッセンス全開。ジャップと言えばテリヤキなんだ。


■ キーバ
「まっ どうでもいいけどな」
アーリアン・ファミリーの1人(物語開始の時点で既に故人)。
口周りがサイボーグ化されており、カバーが開くと口は金属製の牙で武装されている(一連のギミックがシャイニング・ガンダムのスーパー・モード味を感じる)。加えて両腕にも飛び出すブレートが装着されている。

ビッグ・アイの命令で"破滅の子"であるタケルとその母を始末するべく送り込まれた。好きでもない男に犯されてできた子を必死で守るタケルの母の行動を「わからないな」熱いマジレスをしながら殺害。

"破滅の子"であるタケルも始末しようとするが、その場に駆け付けたガモンと戦闘になる。さすがにガモン相手は劣勢になりながらも、ガモンがタケルを助けた隙に左腕とタケルの左足を切断する。
そのままトドメさそうと襲い掛かるが、ガモンに股下から肩口にかけて斬り裂かれ死亡(カディンスキーと違って最悪の未来を教えて貰えなかったキーバに哀しき扱い)。

死後はタケルの切断された足をキーバの使いと偽装してガモンがビッグ・アイに送ったため、アーリアン・ファミリー内では任務こそ達成したが消息不明扱い。

ビッグ・アイ「あれ?キーバは?」
手下「キーバの使いから"破滅の子"の足が送られてきたんスけど」
ビッグ・アイ「ヨシッ👉
この辺ガバガバすぎないか?ビッグ・アイはあれだけ戦闘能力の高いキーバが女子供を始末するだけで帰ってこなくなるのは疑問に思わないのん?


■ コモドドラゴン
「コモドドラゴンを放てッ」※ビッグ・アイの台詞です
ビッグ・アイがアーリアン・ファミリーの本拠地ビルで飼育しているペット。
恐らく本作で一番有名なキャラ(キャラ…?)。

かなりの数が飼育されており(20匹以上はいそう)、その餌はアーリアン・ファミリーが(敵対組織・一般人・裏切り者問わず)殺害した人間の遺体。
物語終盤、ガモンのアーリアン・ファミリー襲撃に便乗して乗り込んで来た黒人ギャングを迎撃するため、ビッグ・アイによって解き放たれる。乗り込んで来た多くのギャングを捕食したが、ビッグ・アイの死亡によってアーリアン・ファミリーが瓦解したので彼ら?がその後どうなったかは不明。

仮にビッグ・アイが死なずに本拠地の防衛に成功していた場合、解き放たれたコモドドラゴンはどうするつもりだったんだろう?

余談
Runinルーニンの舞台がマンハッタン島なのでブロンクス動物園あたりから捕まえて繁殖させた説が濃厚。


その他

■ ガモンと決闘した剣士(偽タケル父)
当初、ガモンが決闘で命を奪ったと語っていたタケルの父。
これはガモンがついた嘘だと後々判明するのだが、回想イメージで登場したこの人は実在する人物だったのだろうか……?

一応、この決闘でガモンが腕を失ったというのは真実と異なるし、ビッグ・アイに対してはタケルの死の偽装、タケルへは実の親と殺し合いを避けるよう教育を施していたのでガモンの回想が丸々作り話というのが濃厚。
しかし、ビッグ・アイの父親すべりが初期構想と異なるのであれば、この決闘関連で温めていた話があったのかもしれない。
あっ でも1話でスネークさんがタケルの容姿を白人に近いから混血なのかと疑っていたので、やっぱりビッグ・アイは最初から父親路線か……。


■ スカー・フェイス
全身ツギハギだらけの荒れくれ者とその一味。
殺しの依頼を受けたレイベンに狙われ、返り討ちにしようとするが「なめんじゃねぇぞ こらあっ」→次のページで全滅……となり、全員カラスの餌に。


■ メランツァーネの客
不運にもレイベンがタケルを狙ってメランツァーネに現れたタイミングに居合わせてしまった眼鏡の青年。
レイベンとタケルの闘いに巻き込まれて特殊合金製のマントに首と胴体を切り裂かれて死亡(かわいそ……)。

タケルがマスターの言う事を無視してレイベンと店内でおっ始めなければ死ななかったはずなので、間接的にタケルが殺したといっても過言ではない。

イタメシ食いに来ただけなのに……。


■ マスターの兄貴
マスターの兄貴(物語開始の時点で既に故人)。
殺された女房と子供の復讐のためにビッグ・アイを襲撃したが(ビッグ・アイ母子殺しすぎ問題)、未来視によって銃弾が全て避けられ接近を許し、そのまま手斧を脳天に振り落とされ死亡した。


■ タケルの母親
タケルの母で日本人。
ビッグ・アイに強姦されタケルを授かるが、タケルが"破滅の子"であったのでそれを産んだ女も同罪としてビッグ・アイからタケル共々命を狙われる(理不尽すぎる…理不尽さの次元が違う)。
ビッグ・アイの元からタケルを連れて逃げ出したが、追手であるキーバに首をはねられて殺された。

直後ガモンが駆けつけているので、彼女はガモンと知り合いだったのだろうか?同じ日本人でもあるし。
それなら諸々の事情をガモンが知っていることと、あの場にガモンが出合わせたのも匿ってもらうために助けを求めていたとすれば合点がいく。

また、ガモンがあそこまでタケルに入れ込むあたり、もしかすると彼女はガモンの親族だったりするのかもしれない(妄想だけどね)。


用語解説

■ 破滅の子
ビッグ・アイとその息子であるタケルが該当する。
生まれながらに足に星のアザがある(ジョ…ジョジョ!?)。成長すると先の未来を見通す力に目覚める。しかし、視えるのは"悪い未来"のみであり、自身に訪れるヴィジョンは回避できるが、他人の未来は変えられない。

生きているだけでこの世に災いをもたらし、世界を破壊と混乱におとしめる存在であり、父親を返り討ちにして生き延びたビッグ・アイは自身の存在のせいで《四大カタストロフ》が起きたと思っている。

誕生の日には"魚の雨"が降るという超常現象が発生する。
(最終決戦の日にも降っていたけど)

"破滅の子"自体はヒルデガルドの予言に記されている存在なのだが、作中ではそのヒルデガルド・フォン・ビルゲンの血統であるビッグ・アイとタケルが"破滅の子"として誕生しているので、恐らく彼女の血統から生まれるようだ。


■ Runin
本作のタイトル。正式には「Rūnin」。
意味は言い争いや喧嘩を表す「Run-in」っぽいが、他国をさすらう流浪の人=流人るにんや、破滅の子に関わる"魚の雨"=Rainに掛かっていそうな気もする。


Runinルーニンの世界観
今よりそう遠くない未来、世界中で大地震・大災害が発生、未知のウイルスの流行で経済・治安が悪化。最終的には大国同士の核戦争にまで発展し、世界各地は荒廃しきっている。これらの出来事は《四大カタストロフ》と呼ばれている。

アメリカ:大国同士の核戦争によって各地はインフラの崩壊や放射能による汚染で世紀末状態となっている。ニューヨークのマンハッタン島が本作の舞台。

日本:マウント・フジの大噴火と大震災で国内は大混乱。さらに直近の移民政策で国内に大量の外国人(犯罪者も含む)を抱え込む多民族国家となっていたため、治安・秩序が崩壊し復興どころではなくなってしまう。
瞬く間に無政府状態となり、他民族によって平和ボケした日本人はほとんどが殺されてしまい、日本人は絶滅危惧人種と言われている(何から何まですげぇ設定だな)。

ヨーロッパ:謎のウイルスが流行り、NHMノーヘアモンキーと呼ばれる新人類が闊歩する死の世界となっている。


MELANZANEメランツァーネ
マスターの店。
イタリア料理店であり、タケルが用心棒&手伝いをしている。定期的に店内が死体だらけなったりするしトイレも汚い。現代の価値観だと飲食店としてはカスの部類に入る。
(ロアナプラのイエローフラッグとどっちが安全なんですかね?)


■ マンハッタン・ギャング
マンハッタン島の各エリアに縄張りを持つギャング組織たち。そのほとんどが人種で住み分けされている。

〇アーリアン・ファミリー(A・Fとも略される)
ビッグ・アイをリーダーとする白人武装集団。マンハッタン・ギャングの最大勢力。構成員は100人超え。
「ブラッド・イン」「ブラッド・アウト」というメンバーになるには殺人を犯す、脱退するのは死んだ時だけの血の掟がある(クソみてぇな掟だな)。

〇ラテン系ギャング
 メキシコ・プルメリコ・ドミニカン

〇黒人系ギャング
アーリアン・ファミリー瓦解後は最大勢力となった。ビッグ・アイが放ったコモドドラゴンによって結構な人数が死んでそうな気がするんスけど大丈夫だったんですかね?

〇ユダヤ系ギャング

〇中国系ギャング

〇イタリア系ギャング ← マッ…マッセリア!?

毒狼カンコウ編の
“マッスルズ”
“スキンヘッズ”
“タトゥー連合”
もそうだけど、こうやって後の展開で使おうと思って(?)ばらまいていた組織が結局使われずに終わるのもったいない気がする。


■ 赤い狼煙
ガモンを召喚するためのアイテム。
ガモンが自警団をやっている地域でタケルが危なくなったら焚いてくれと頼んでいる狼煙。


■ 「Runin -The RONIN in the Ruined City-」
読み切り版。評判はよかったらしい。




最後に……ガモンの自室の額縁から


 無 見
 勇 義
 也 不
   為
猿   


意味:人として為すべきことを知りながら実行に移さないのは勇気のないことである。

論語 ‐ 為政より




















待てよ

物語はこれから面白くなるんだぜ



















ゼロぐらいから理解する「Devils×Devil -Kiryu in Paris-」

※リンク先で試し読みできるぞ↓

本作はタフシリーズのパラレルワールドだが、前述のRuninルーニンでホーキング・山田の口からNHMノーヘアモンキーと呼ばれる新人類がヨーロッパで誕生しているという発言があるので世界観としては繋がっている模様。マジかよ……。

あらすじ

宮沢鬼龍、人呼んで“悪魔を超えた悪魔”。荒廃したパリの街を舞台に、名画を巡って異形なる怪物たちとの争いを描いた表題作「Devils×Devil」他、双子の弟・宮沢静虎の活躍を描いた大人気シリーズ「OTON9」、「灰色のオッドアイ」「異能社員 鈴木一郎」を収録した、渾身の短編集!!

引用:Devils×Devil 猿渡哲也短編集

■ クッソ雑な要約
鬼龍版 『The Last of Usザ・ラスト・オブ・アス

格闘漫画のメインキャラの短編を崩壊した世界でバケモノと戦う話にするのは誰か止める人いなかったんですかね?


■ 宮沢鬼龍
"悪魔を超えた悪魔"
皆さん存じタフシリーズのメインキャラ。主人公 宮沢熹一の父である宮沢静虎の兄であり、敵だったり味方だったりまた敵になったりと、シリーズとおして迷惑極まりないオッサン。
本作はタフのパラレルワールドであり、鬼龍以外の本編キャラは一切登場せず、鬼龍自身も灘神影流ではなくショットガンを使って闘う(この世界の熹一や静虎はどうなったんやろなぁ……)。

荒廃したパリの街でNHMと闘いながら時にはスポーツ・カーを乗り回し、時には無人のレストランで食事(缶詰)をとって屁をこいたりとやりたい放題だが、一方でNHMに美術品が破壊されないようルーブル宮を警備したりと、鬼龍の芸術へ対する深い敬意を感じさせる活動もやっている。変なところで真面目っスね。

しかし、流石に傲慢不遜の嗤う龍と呼ばれた彼も生存者が1人だけの状態には孤独を感じていたり、殺人ウイルス"H4Q1"による死を恐怖していたりと、本編では描かれない意外な一面を見ることができる。

ラストのシーン、
昔は「キ〇ストもブッ〇も…俺はあらゆる神を冒涜する」と言っていた"あの"鬼龍がマリア(奇跡)と共に希望を求めてバチカン市国(聖地)に旅立つのが印象深いんだよね。

でも本物のモナリザを持っていく代わりに自分が描いたヘッタクソな模写をルーブル宮に置いていく傲慢さは好感が持てない。
せめてマリアが描いた奴にしろ。


■ マリア
"奇跡の子"

口がきけなくなっている少女。
死の都となったパリで鬼龍以外の唯一の生存者であり、鬼龍が守っているルーブル宮に地下道から忍び込んできたのが出会い。

彼女は"H4Q1"に感染しておらず鬼龍から奇跡の子と呼ばれ、ルーブル宮で鬼龍による美術品のうんちくを聞かされたり、モナリザの絵を2人で模写したりと暫しの間交流することになる。←ここの鬼龍おじさん久しぶりに人に会ってウキウキしてるみたいでかわいいんだ

ルーブル宮に侵入してきた自身の父親のなれ果てであるNHMを鬼龍が倒した後は、鬼龍に「俺がNHMになったら同じようにしてくれ」と介錯を任され、一緒に生存者を求めてバチカン市国へと向かった。

マリアが"H4Q1"に抗体を持っているっぽいので彼女がデビデビ世界の希望になるんですかね?まるでラスアスみたいだぁ~。


■ ノーヘアモンキー(通称:NHM)
"毛の無い猿"
殺人ウイルス"H4Q1"に感染して死亡した人間が変貌して生まれる新人類。
知性はなく、常に満たされない食欲ゆえ人間・動物問わず生きている物なら何でも襲う肉食獣(最悪共食いする)。耐久力は鬼龍のショットガンで即死するのでめちゃくちゃ高いわけではない(たらればだけど《四大カタストロフ》で世界がグチャグチャになっていなかったら割と簡単に鎮圧できそうなんだ)。

ルーブル宮で鬼龍と対峙したマリアの父親のなれ果てのように巨大な個体も存在する。知性はないはずなのに死ぬ前にマリアに渡したメダリオを見て動きを止めたり、このNHM(マリア父)は色々と特殊なんだ。
恐らく龍継ほど衰えてはいないであろう鬼龍がスピードとパワーに圧倒されて一発でノックダウンするくらい強い(龍継ゴリラくらいの強さっスかね?)。でも最終的にショットガン1発で死んでるから耐久力に関しては小型のNHMと同じくカスっスね。

余談
致死率99.9%の殺人ウイルス"H4Q1"に感染して死亡した人間の0.001%がNHMとなるので、パリの人口約200万人全員が"H4Q1"に感染した場合、発生するNHMは約20匹……ん?
※一応ヨーロッパの総人口を7.5億人で計算すると約7500匹のNHMが発生することになるが……どうやら"H4Q1"はNHM化することより致死率の方がヤバいっぽいですね。


余談
この作品はパリで行われたTOUGHのイベント後に描かれた短編なんですが、現地のファンから手厚い歓迎を受けたのにも関わらず、自分の漫画ですぐさまパリを壊滅させる猿渡先生は一体どういう心境だったんですかね?

そしてフランス人のファンはどう思ったんですかね?


出典
「Runin」 1巻/猿渡哲也/集英社
「Runin」 2巻/猿渡哲也/集英社
「Devils×Devil 猿渡哲也短編集」 /猿渡哲也/集英社