情報という資源:怪しい情報に飛びつくな[20240807]
今週は「情報」という資源とコンサルティングについて考えてみたい。
本日は、正しいコンサルティング会社が提供すべき情報とは如何なるモノか?
ズバリ「公正」「中立」「第三者的」な情報以外にはない。
勿論、クライアントの役に立つ情報であることは言うまでも無い。
情報は「公正」「中立」「第三者的」であり、決して何処かの企業や製品の宣伝に資する情報であってはならない。
しかしながら、日本では情報を提供するサイドも、受け取るサイドも、全く意識していないようだ。
「公正」「中立」「第三者的」な情報とは何だろうか?
一つ目は情報の出所である。
営利企業や営利団体が出している情報は「基本的に怪しい」と思った方が良い。
政府が出している情報も「基本的に情報も怪しい」と、まずは思った方が良い。
奥さまがウクライナ人の友人がいるのだが、東日本大震災の時に福島原発での事故についてこう言ったそうだ。
「政府は平気で嘘をつく」
「ウクライナ人は、チェルノブイリの事故の時に嫌と言うほど経験した」
彼らの答えは「東京は危険だから関西に逃げよう」という提案だった。
実際、外資系企業の外国人幹部が京都や大阪のホテルに家族を連れて避難した話は有名である。
政府は「公正」「中立」「第三者的」ではないし、そこからの情報は信用に足るモノが少ない。
有名な話だが、当時の財務大臣が「老後に年金以外に2000万円が必要だ」と発言した。
老後の生活の話をしなければならない役割は厚生労働大臣である。
本来、厚生労働大臣以外が口を出してはならないのである。
何故、財務大臣がそのような発言をしたのか?
財務大臣が管轄している金融機関から「リップサービス」を頼まれたからではないだろうか。
財務大臣は、直ぐに発言を取り消したが「老後に2000万円必要だ」「2000万円足りない(年金では賄えない)らしい」というのが、今や常識になっている。
当の本人は発言を取り消したので知らん顔をしているが、最大の効用をあげたリップサービスである。
こんな裏切り行為があっても良いのだろうか?
「公正」「中立」「第三者的」な情報は高価だ。
例えば、スイス・ローザンヌにあるIMDの調査レポートや、米Gartnerの情報が安売りされることは無い。
彼らの情報は「高価」だが、「公正」「中立」「第三者的」という性質が担保されている。
「Gartnerの講演は高価なので、私たちには無縁です」という話を聞いたことがある。
講演で話される内容(情報)は、本当に価値があるから世界中で高値でも売れている。
日本でも2006年当時(私がGartnerに入社した年)に比べれば価値を理解出来る方が増えているのではないだろうか。
情報を受け取ったサイドが、その情報によって如何に意志決定するのかは提供者は責任を負えない。
そこで、講演の後にOne on One(1対1)というサービスで、如何に理解し行動すべきかの相談を承る。
余談だが、海外では講演の後のOne on Oneは申し込みが殺到するが、日本の場合はそうでもない。
そんなところでも、情報をどう理解し活用するのかという姿勢の違いが見て取れるように思う。
さて、私がアカデミック(大学や大学院など)な機関・先生方とお付き合いをさせていただいているのは「公正」「中立」「第三者的」の情報を取得するためという大きな目的がある。
ところが「小西さんは、教えるのが趣味だからね」なとど言われてしまうことも多く、残念な気持ちになる。
実は、大学や大学院も気を付けなければならない場合がある。
それは、大企業出身者が教授になっている場合である。
経産省のWebページにて発表された「DXレポート」がわかりやすい。
あのレポートを作成するために尽力された先生方の殆どは、某大手ITベンダー(同じ企業)の出身である。
この実態をどう思われるだろうか!?
「公正」「中立」「第三者的」な情報を取得することはとても難しいのだ。
合同会社タッチコア 小西一有
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