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業務改革の目的は全ての企業で1つしかない[20240514]
今週は「既存事業の高度化」イコール「業務改革」について「殆どの日本人が知らない」「殆どの日本人が知りたくない」ことについて話したい。
昨日の投稿に早速反応してくださった方がいた。
「日本の産業構造の特異性とは何ですか?」
ご質問には感謝だが、今週話したいテーマとは少しズレているので簡単に回答したい。
「ケイレツ」とも呼ばれる垂直統合型の企業グループを形成しているということが「特異」なのである。
ケイレツの一番上に君臨する企業や、Tier1と呼ばれる企業ならば新規事業のチャンスが生まれる可能性もあるのだが、Tier2以降になると絶望的に苦しい。
ただ、ケイレツ以外からの取引が多ければ、新規事業開発の可能性も有るかもしれない。
何故、そうなるのかと言うと、一番上に君臨する企業が自分達の十八番を横取りされるようなビジネスを創出しないようにコントロールするからだ。
日本では、ケイレツの中にいる企業でも兆円企業は数多く存在している。
これらの企業では新規事業開発もさることながら、業務改革が生き残りの必須条件となっているのである。
弊社では「業務改革活動」ノットイコール「DX」としてきた。
しかし、お客さまの多くが業務改革に注力している状況を受け止め「DXということにして業務改革活動を支援しよう」と心を改めたのである。
さて、殆どの日本人が知らない業務改革とは何か?
たくさん知らないことがあるうちの一つを本日はご紹介したい。
「業務改革の目的」は全ての企業で「1つしかない」ということだ。
「無駄取り」とか「機械化」と言いたいのだろうと思った方は、どうか今日の話を読んで勉強してほしい。
「IT屋が考えるのはITを買わせることに注力するのだろう!?」
残念ながら、弊社はIT屋ではなく、経営コンサルティング会社である。
経済産業省のようにIT業界が潤えば他の産業のことはどうでも良いと考える部局とは視点が全く違う。
役所の悪気値はともかくとして、業務改革の目的は「現場の業務を経営戦略にフィットさせる」ことなのである。
この目的は唯一無二であり、世界中の企業・組織がこれを目的にしている。
これ以外に目的は有り得ない。
多くの企業が「中期経営計画」イコール「経営戦略」を策定している。
市場分析や顧客からの声、最新の技術動向、世界情勢など色々と勘案して経営戦略を立案する。
3年間で当社は何処に向かい、どのような目標を達成するのかを決めるのだ。
近頃は統合報告書の中に、これらのことが盛り込まれている。
統合報告書はカーボンニュートラルとか廃棄物についてなど「環境問題」の為だけに作成されるのではない。
その企業の最優先課題として、カーボンニュートラルとか廃棄物などのサステナビリティにフォーカスするということなのだ。
企業が存続を賭けて「中期的に取り組む内容」が中期計画であり戦略であるのだ。
年次計画を3年分作ることでは断じてない。
経営者が戦略転換をすれば、可能な限り速やかに現場の業務も変化すべきである。
し・か・し、そんな簡単ではない。
何故なら、現場は賢いし現業を回しているのである。
本当の現場では経営戦略が変化することにより、自身の仕事の何がどのように変化するのかが分からない。
現場の視点は「自分」だけだからだ。
経営戦略には「会社・組織全体の目標が設定」されているだけで、各々の社員が何をすべきか何処にも書いていない。
「だから、会社って管理職があって上から情報が落ちてくるのですよね」
その通りだが、大きな組織になると様々な価値観があり、それぞれが自身の思うように稼働しているのである。
従って経営者の意向がダイレクトに現場に伝わるようにしなければならない。
それが「業務改革」なのである。
経営者は素早く業務改革プロジェクトが終焉を迎え「新たな目標」に向かって自社が動き始めることを望んでいる。
では、FAXでやり取りをしているコトとか、新聞を毎朝切り抜いてスクラップブック(死語!?)を作ることは放置されるのですか?
いやいや、多分放置することはないが、優先順位が違う。
経営者が定めた中期的な目標は、企業の存続を賭けたものだ。
FAXを業務で使用し続けることが良いとは言わないが、それは「業務改革プロジェクト」の中で吸収され改善されていくのが通例だ。
経営者は「高いところに座って眺めているだけで高給優遇」だと考えている方も多いだろうが、そんな企業は1年ももたない。
経営者は、自社の将来を常に考えている。
経営者が常々考えていることを纏めたのが「中期経営計画」であり「統合報告書」なのである。
業務改革と言えば、無駄取りとか機械化などと考えているのならば、正しく理解をして欲しいと思う。
合同会社タッチコア 小西一有
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