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落とし穴に落ちまくる[20240523]


ビジネスプロセス改革の話は聞きたくないという方に出逢った。

会社は業務改革を断行しなければならなくて、話の相手はそのリーダーを名乗る方だった。

「IT部門」の管理職である。

彼の主張によると、業務を改革するのであってビジネスプロセスを改革する訳では無いと言う。

必死になって「業務≠ビジネスプロセス」を熱心に説明されるもので、申し訳ないが本気で吹き出しそうになった。

まあ、彼の主張はこうだ。

業務というのは、担当者若しくは担当チームが遂行する実務そのものであって、それを改革する活動が「業務改革」なのだと。

私は「それは素晴らしいことだからエコノミクス(経済合理性)が成立するなら、直ぐにでも実行されたら良いですよ」とアドバイスした。

ただ、可能ならば業務改革と呼ばずに「機械化・合理化・省力化」程度の言葉をお使いになっては如何でしょうかとも添えた。

彼の会社・組織では、足元の「困りごと」に対応したいらしい。

わからずやの老齢役員が多くいるために「システム投資」をずっと拒み続けられたらしい。

そのため、機械化が遅れ合理化や省力化も創意工夫してきたが限界に来ているという主張だ。

「ビジネスプロセス改革だなんて言われたら、わからずやの老齢役員はますます人の話を聞いてくれない」

そう憤慨して言うのだ。

彼の話から、多くの方が陥りがちなポイントを発見したので紹介したいと思う。

(1)日々のお仕事改善は、エコノミクスが見合うなら「実行すれば良い」のである。
⇒但し、この仕事に関わっている社員数を半減出来ます・・・>は言わない方が良い
⇒社員は減らないので
⇒どうしても言うならば、この業務に貼り付いている社員3名を、今中期の重点施策である○○○部に異動させることが出来ます。まで言えれば良いと思う
⇒経営者の興味は「経営資源」の最適配分だから

(2)「わからずやの老齢役員」と表現した時点で「あなたの負け」は確定である。
⇒話を聞いてほしい時は、話し方や説明方法を工夫して相手似わかって貰う努力をしなければならない
⇒当然アルファベット3文字は禁止だし、可能ならばカタカナも使わない方が良い
⇒経営者から許可を貰わなければ「何も出来ない」のはどこの企業・組織でも同じだが、その意思決定者の目線で説明出来ない最たる部門がITだと某ビジネス誌の編集長から伺ったことがある。つまり、IT部門の努力が足りてないことに気付かないで毒を吐くだけでは何処に行っても通用する実力を持っているとは思えない

なんとも残念である。

さて今日は、別件でリスキリングの件で外出していたので、ついでに話しておきたい。

デジタルと名前のついたリスキリング講座が雨後のタケノコのように乱立しているが、小手先のテクニック習得に終始しているものばかりに思う。

古い技術のエンジニアに新しい技術を教えるのだと理解している方々が多いのだが、何故、マネジメントとか企画屋のプロになるための機会を提供しないのだろうか。

エンジニアがビジネスプロセス設計を学ぶことが出来れば、彼らは素晴らしく活躍するのにと10年以上前から考えていた。

でも、ビジネスプロセス設計なんて「エンジニアの仕事じゃ無い!」つまり「IT部門の仕事じゃない!」と考えられているようだ。

もちろん、ビジネスプロセスを設計するだけではダメで業務設計まで出来なければならない。

だが「現状調査をしてから無理・無駄・無茶を排除するべく提案をするのだ!」

こう息巻く方々の中に「正しく教育された新参者」を受け入れる余地も無いに違いない…。

なんとも悲しい。

合同会社タッチコア 小西一有


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