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IT導入:目的を聞いていけない(のか)[20240813]


今週は、お盆期間で夏季休暇の方も多いだろうし平日は4日しかないので、少し実務から離れた話をしようと思う。

私の娘が小学校4年生くらいだっただろうか、10数年以上前の話だ。

「父親参観のご案内」が届いた。

「当校では、教育施設の充実を目指して「電子黒板」を導入し日々の授業に使用し始めましたので、是非ともお父さま方に参観いただきたく…云々」

私立小学校だったので、たくさんの授業料を納めていただき、公立小学校よりも圧倒的に早く「電子黒板」を導入したそうだ。

子供たちにも一人一人に端末(手書きのタッチパッドのようなもの)が配られていた。

これが、電子黒板に繋がっていたように記憶している。

「○○○の問題を解いて解答をタッチパッドに書いて下さいね」で、先生は子供たち全員が何を書いているのか手元で見られる仕組みだった。

授業では「はい、○○○さんの解答を見てみましょう」と、テレビのクイズ番組のように少しずつ「解答を見ていく」ような展開だった。

テレビのクイズ番組なら、大きく外している解答者から解答を見ていき、最後に正解者の解答をあけるという演出をするだろう。

さすがに小学校の授業なので「解説」をしながら電子黒板に個々人の解答を映し出していた。

さて、今日の話は、何が(what)どのように(how)使われていたのかは、問題ではない。

問題はここからだ。

参観後「お父様方へ」と題したアンケートが配られた。

先方の期待としては、先進的な設備を導入した「当校」に対しての謝辞だとか(娘を通わせられる)喜びを感想に書いて欲しかったのだろう。

少子化の中で私立の小学校は経営難に陥る可能性の高い業種だ。

アンケートを取ってフィードバックをすることは常套手段である。

私は、以下のように書いた。

『電子黒板を利用した授業を参観させていただきまして有り難うございます。また、平素から娘がお世話になっており心から御礼申し上げます。
その上で1つ質問があるのです。電子黒板を導入した目的(why)です。
多分、現行教育の何かを変えたくて電子黒板を導入されたのだと思いますが、
(1)現行の問題点は何で
(2)電子黒板を導入したことにより改善を計画されていると思うのですが 
  如何なる目標を掲げておられるのか? 
を教えていただけますと有り難いです』

私の質問は「変」だろうか?

結果、何が起きたかと言うと、娘は職員室に呼ばれて「あなたのお父さんは何モノですか?」と詰問されたそうだ。

尚、上記の質問には一切回答して貰ってない。

そして、娘には「もう父親参観には来ないでほしい」と言われたのだった。

合同会社タッチコア 小西一有


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