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受け入れ側、られる側:双方準備が必要だ[20240820]


さきほど新幹線と近鉄特急を乗り継いで奈良市内のホテルに到着した。
これから1週間ほど滞在し、恒例の「大学院で講義」を担当するためだ。
夕食の前にこちらを書いている。
明日から朝9:00から18:10までの5限連続×3日間をぶっ通しの講義をする。
宿泊先の奈良市内のホテルからブログをアップするのも例年通り。
奈良市内のビジネスホテルの宿泊費もコロナ前だと5000円もしなかったが今では2倍近い。
朝7時に食堂で朝食を食べて、8時には電車に乗り、9時少し前に教室に到着する。
私が泊まっている奈良市内のビジネスホテルは「大学から一番近い」ホテルである。
「京都市内にご宿泊ですか?」と聞かれることもあるが、もし京都市内で宿泊したら通勤に軽く1時間は掛かる。
私が教鞭を執っている京田辺キャンパスは、京阪奈丘陵学術研究都市の中にあり、場所的には奈良市の方が圧倒的に近い。
「ここは京都府だけど、府庁よりも奈良県庁の方が近い」という場所なのである。

さて、昨日「情報の価値」を講義の最初に教えると話したが、本当に大事なことは「新しい価値を生み出すビジネスのアイディアを実装する」ために何をすべきなのかを考えて貰うことである。

企業にインターンで行ってきた学生の全員が「ブレスト」に参加してきたと言う。

「ブレストはどうでしたか?」と尋ねると、

「お通夜のように静かでした」
「2人くらいの社員の方だけが盛り上がっていて、他の方はシラケた感じでした」

などと異口同音に感想を聞かせてくれる。

「それブレストじゃない」し、そもそも企業サイドの学生への期待に応えられるだけの企業サイドの準備が全く整っていないのが手に取るようにわかる。

本当に時間を無駄にしているだけである。

「新しいアイディアを創出するのは難しい」のは言うまでも無い。

更に、そのアイディアがビジネスに新しい価値を生み出すなど夢のまた夢だ。

そこで、学生には「正しいブレストの実施方法」を含めて「如何に新しいアイディア」を創出するのか、講義内の演習を通じて身につけて貰う。

ところで、何故インターン学生が来たらアイディア出しのためのブレストを実施するのだろうか?

殆どの企業で実施するのだから「ねらい」は各社とも同じであろう。

先日、とあるソフトウェア開発会社の社員向けに「新しいアイディアを生み出す為の(ミニ)ワークショップ」を開催した。

当社は、開発会社だから新しいビジネスアイディアなんて関係無いのですが…と嫌がる社長を口説いての実施だった。

結果は「誤解していました、これは価値があります」とご理解をいただけた。

このソフトウェア開発会社は、今までは受託開発請負が100%だったのだが、自社製品・サービスを立ち上げたいと考えていた。

ただ「何かは出来るに違いない」くらいの軽い気持ちだったそうだ。

しかも、社長に至っては「アイディアは、そういうのに向いている社員が思いつくモノだ」

そう考えていたと言うのだ。

そういう天才君が何人もいる会社なら良いのだが…。

次回からは、新卒の内定者にも参加して貰ってくださいと提案しておいたが、あまり乗り気ではなかった。

実は、別のIT企業の社長さんから、こんな話を聞いた。

「当社はソフトウェア開発会社としては中堅規模を誇っておりますが、新卒の社員達は半年過ぎたところでガッカリして辞めたいと言うのです」
「IT会社と聞いて入社してきたのですが、実際は受託開発の仕事ばかりでITを使って新しいビジネスを作っていくような仕事を期待していたようなのです」

いやはや、GoogleやAmazon、Metaなどと同じ規模を期待してないだろうが、そこに期待があったと言われたら辛いだろう。

せめて、少しずつでも良いのでITでビジネスを創造していくような雰囲気作りから始めるのも悪くないだろう。

そう思い提案してみたのだが「余計なお世話」くらいに思われたのかもしれない。

一方、私のところの学生たちは「新しいビジネスアイディアを生み出す為の(嘘でも)ブレストをするような企業さんにインターンで世話になっている」ということだ。

彼らの活躍の糧になる、講義をしようとあらためて思う。

さて、夕食を摂ったら明日の講義資料のファインチューニングをしよう。

合同会社タッチコア 小西一有

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