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プロジェクトには目的と目標がある[20240607]


昨日は、戦略目標に向かう為に「ケーパビリティ」を特定する方法について話した。

すると、ご意見をいただいた。

「システム投資するだけなのに、何故このような大層なことをしなければならないのか理解出来ません」
「確固たるプロジェクト遂行能力があれば問題ありません」

プロジェクトの話をするならば、プロジェクトの目的とか目標には何が書かれているだろうか?

よもやITプロジェクトのQCD(品質、コスト、納期)へのコミットメントだろうか?

一般的に、社内で立ち上がる「正式なプロジェクト」は、執行役員会などの決裁を経て開始される。

プロジェクトとは、様々な組織を横断して実行される有期限の活動である。

プロジェクトには、執行責任を負うプロジェクトマネジャー(PM)が配置されプロジェクトの目的・目標を達成するために尽力する。

プロジェクトは全社的な活動であるので、プロジェクトの目標は「経営」「ビジネス」面のものが設定される。

そして、忘れてはならないのが「プロジェクト憲章」である。

憲章という言葉は普段はあまり使うことがない。

プロジェクトに憲章という言葉があるのは「当該プロジェクトにだけ通用するルール」を示す為だと考えられている。

憲章とは広義に「憲法」という意味だから、これに違反することは社長でさえも許されないと理解して良いだろう。

だからこそ、プロジェクト開始については、目的や目標、体制(特にPMの任命)の他、憲章についても十分に吟味されなければならない。

そのような憲章が必要な理由は、プロジェクトの中では様々なイレギュラーがあったり、場合によっては既存の社内規則の為に実行が妨げられたりすることがあるのだ。

そこで「プロジェクト遂行の為に特別対応をして宜しい」というお墨付きを与えるのが憲章を決める理由の一つだ。

さて、ここで言いたかったのは、これらの目的・目標に向かうプロジェクトメンバーは、当然のことながら分業にはなるが、他のチームやグループがどうなっているのか、何をしているのかを知らない訳にはいかない。

システム開発の工程管理をしていれば良いと言うものではない。

私の経験だと「システムは出来上がったけど、業務部門は全く準備が出来ていません」ということがそこそこの頻度で発生する。

つまり「使われないシステム」を構築してしまうのだ。

そのうち使い始めるでしょ?

なんて暢気なことは許されるはずもない。

企業では投資回収は遅滞なく実行されなければならない。

「プロジェクトこそITの仕事」と言う方には、本当に戦略やビジネスに貢献出来ているのかを振り返っていただきたい。

「自分はやっている」「出来ている」と性急に断言せず、全体ではどうなっているのかを俯瞰するという仕事の仕方をして欲しい、これはお願いだ。

合同会社タッチコア 小西一有

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