経営も正しい期待値を持つべき[20240227]
情シス部門の役割を理解するために経営者が何を期待しているのかを知ることは大事だ。
なので情シス部長は、経営トップの社長に尋ねて欲しい。
「社長!私たち情シスへの期待値は何ですか?」
「社員を楽にさせてやってくれ」などと言う社長は最低最悪。
更に「とにかく低コストを心掛けてくれ」などと言う社長がいたら株主代表訴訟でもして退任をに仕向けても良いくらいだ。
例えば、以下のような回答をしたら経営者として見込みがある。
「ビジネス戦略の方向性に合致した投資を優先させて私の戦略実現のために尽力して欲しい」
では、情シスはどのような姿勢で臨まなければなければならないのか。
“Nice landing, However wrong airport!”
着陸は上手だが空港が間違えているというジョークだ。
情シスの話になぞらえばこんな感じだ。
「システム開発のコストは上手にセービングしてくれているが、開発して欲しいものは、君が作っているものでは無い」
ユーザーから要件を聞いてその通りに作っていますと言うつもりだろうか?
そんな姿勢であってはならない。
大切な経営資源を割いて投資しているのだから、情報システムのオーナーは「経営」だ。
だから「楽をさせてやってくれ」なんて言う経営者は最低最悪だと言っている。
もし、言うとするならば「全ての経営資源が最適化されるように情報流通整備をお願いしたい」とか言えれば「花まる」だ。
ちなみに、このような回答は、日本以外の国々のCEOやCOOにすれば普通だろう。
彼らは、情報資源とか経営をKKD(勘と経験と度胸)ではなく、体系だって学んでいる。
2000年代中盤以降に、情報と経営の関係は大きく変化する。
ITガバナンスという言葉がきちんと定義され、世界中の企業で多くのCIOが任命された。
情報システム部やITプロジェクトの親玉では無い。
ビジネスプロセスを改善(日本語では改革の方が合致している)するために任命された。
日本以外の国々ではビジネスプロセスは縦割り組織の間で情報流通が無くなり、様々な問題が生じお客さまに迷惑をお掛けしていたことに経営者は憂いを感じたのだ。
日本では何故か、ITプロジェクトの親玉だったり、情報システム部長の上司で管掌役員に付けられたりする名称となった。
その当時既にIMD国際競争力ランキングは20位前後だった。(現在は35位)
1990年から5年間ほどはずっと1位だった日本は、不勉強なためにどんどん順位を落としていった。
日本企業の凋落は「人材への投資」を全くしなくなったことに起因していると言う説もある。
(人材版伊藤レポートなどに詳細が書かれている)
何故、経営者は学ばないのか?
また、学びたいから投資してくれという若者の声を打ち消しているのは誰で、理由は如何に!?
合同会社タッチコア 小西一有
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