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日本企業にはハードルが高いランク分け―ビジネスアーキテクト[20240415]



「DX人材」の育成に余念の無い企業さまからご質問をいただいた。

「『DX推進スキル標準』のビジネスアーキテクトのスキル項目別のスキルレベルについてIPAのWebページでは重要度としてa, b, cとランク分けされていますが、例えば具体的に「ビジネス戦略策定・実行」という項目では、それぞれ具体的に何が出来る状態を指すのでしょうか?」

なかなか良い質問だ。

ちなみに、IPAのWebページでは以下のように説明している。

a:高い実践力と専門性が必要
b:一定の実践力と専門性が必要
c:説明可能なレベルでの理解が必要

しかし、簡単に説明するのは難しい。

何故なら「ビジネス戦略策定・実行」を例にとると「戦略とは何か?」を理解し、100文字以内で回答できるかどうかでまずは3つのランク分けの一番下のレベルに評価できるかどうかが決まるように思うからだ。

「戦略とは何か?」を正しく理解して説明出来たとして「ビジネス戦略」とは何で、それを策定するとはどういう行為なのかが説明可能で最下位ランクの「c」と言うことになる。

正確に言えば更に「実行」にも造詣が必要で、正しく「c」にランクされるのである。

「b」では一定の実践力と専門性が問われているので、ビジネス戦略策定・実践を経験したことがあるくらいで良いだろうか。

日本の経営体が策定・制定する経営戦略は「わかりにくいモノが多い」。

本来、戦略とは「方向性」「方向性に準拠した戦略目標」「戦略目標を達成する為に必要な経営資源」の3つが分かるように記述されていなければならない。

直接的な記述でなくても構わないのだが、少なくとも社員には上記の3点が伝わることがポイントである。

そういう意味で「ビジネス戦略の策定」スキルをランキングするならば、一度は作成した経験が無ければ未知数と言えるのではないか。

私個人としては、経営体が若しくはビジネス・フロント部門が「ビジネス戦略」を策定する意味を200文字以内で説明できたらスキルレベル(b)くらいにランキングしたらどうか、と思ったりもする。

「a」は更に高い実践力と専門性が必要なので、戦略に記載しているAs IsとTo Beのギャップを埋める為の方法やリソースについて説明出来る実力を持っているのが最低限で、実践力と言う意味では、ギャップを埋める為に社内を巻き込んでいく能力も必要となろう。

「戦略の実践?」とは何だろうと思う方も少なく無いと思う。

何故なら戦略に基づいて戦術が策定されそれを実践するのが、現場だからである。

戦略の実践とは戦術の実践と何が違うのかと思うのが当然だから「最後は現場なのでしょ?」と戦略立案に本気になれない企業が多いのだろう。

いやいや、戦略面での議論の中心は、中期(3年)的なAs IsとTo Beのギャップを如何に埋めるかである。

現場に「頑張れー」と言うのは違う。

「○○○○を用意したからね」とか「○○○○を利活用してね」という○○○○を考えるのが戦略を立てる者の仕事だ。

そもそも「戦略」の理解が必要なのだが、誰が何処で学んでいるのか…。

日本の問題点は、本当はそこにもあるのかも知れない。

合同会社タッチコア 小西一有

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