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ウィズコロナを乗り切るための切り札“ふれあいのメソッド”Vol.5

 ご清覧、ありがとうございます、野口花琉実です。
 先週は、現在の在り方に合わせた行動様式が、関係性の安定には必要であることについて、記しました。
 さて、この関係性ですが、ヒトという種は生来、関係性の動物であるがゆえに、『ノ』という存在を支える『人』という文字が表わし、その間に在らなけれ存在しえない種であることから『人間』と呼ばれているのです。
 その立ち位置と他者との距離は、人の乳幼児期が他種と比べて長いように、長い時間をかけた愛ある躾学習によって定められます。その愛ある躾と学習の機会を、核家族化によって損なわれた人間が起因として引き起こした問題。それがドメスティック・バイオレンスでありモラル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、セックスレスとそれに呼応した不倫です。
 2012年に内閣府男女共同参画局が発表したデータによると、DVでは33%の女性がなんだかの被害経験があったと報告しています。また、児童虐待に至っては、1990年に相談件数が1,101件であったものが、2011年には59,862件と54倍の増加を見ています。そこに到来したコロナ禍。

 当たり前な話ですが、被害による後遺症は深刻です。それは私自身がかつて、それらの方々と同様被害を受けた経験がありますので、よくわかります。それらの方々がその後にすごした長き日々、心身に負った傷と見舞われるフラッシュバック、後遺症。すべて私も同様に、身をもって経験いたしました。

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 自然科学にたいする情報処理の能力については、言語脳の局在という遺伝的変異により意識の定着を獲得した人という種は非常に優れています。自然科学の発展とそれらがもたらした現代の文明社会の進歩がそれを如実に物語っています。自転車や車、電車や飛行機と、複雑に組み合わさった交通網。インターネットによる同時代化とネット網の在り方は、まるで脳細胞のニューロンが連結したネットワークを外に再現しているかに思わせます。マンションや住宅が自然と共存する都市の形成。
 都市化による生活が手にした利便性は50年前の比ではありません。が、それではそこに住む人たちは、同じ程度の大いなる幸せを手にしたでしょうか。そうではありません。
 むしろ紛争や加害事故、暴行や略奪、レイプが後を絶ちません。核家族化が進み定着するにつれて、人間の関係が起因した社会問題は、増加の一途をたどる傾向にあるかに見えます。
 そして実はその負の連鎖は、人という種がこの世に誕生した瞬間から繁栄した今日まで、途絶えたことはないのです。負の連鎖はすなわち、人の歴史そのものであり、人という種を端的に表す、シンボリックな問題です。コンラッド・ローレンツ博士が名著“ソロモンの指輪”に書かれたとおり、するどい牙を持つ動物であればあるほど、縄張りの境界線上でした同種にその牙を向くことはありえません。地球上で、これほどの規模で同種殺戮を繰り返す種は、世界広しと言えど、人という種しかない。そこに人間の関係に対する情報処理能力が欠落している事実が表れています。人間は他種に比して、関係を調整する能力が危ういという事実を、もう一度肝に命じたい。こう考えると、人間の関係に起因する負の連鎖がもたらす被害は、人という種が存続する故に、もたらし続ける被害といえるでしょう。このわたくしもその被害者の内の一人です。

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 わたくしがこの事実を前にして、最も大切にしているもの、大切にしていることは、わたくし自身が、それら人間関係がもたらした被害からの生還者であり、それを同じく人との関係性によって快癒し乗り越えた生き証人であるということ。そして私がもっともあなたに伝えたいことは、払拭し乗り越え輝くための方法です。次回ポストトラウマティックグロースに触れることからふれあいのメソッドの必要性に向かい始めましょう。

つづきます。

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