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 虹色のクリームソーダみたいな街

5ヶ月ぶりに鎌倉へ戻ってきた。
秋の気配と夏の匂い。

夏の気配がまだあれば、それを全力で楽しんでやるぞ
と言わんばかりにヘソを出した露出の多めの女の子や
それがまるでユニフォームみたいに標準装備された
ビーサン、海パン、Tシャツの男の子。

年中ウェットスーツでビーチクルーザーを漕いでるおじさんと
小学生くらいの体重がありそうな巨大な犬を連れた人。
いや、サイズ感に関係なく犬はやたらと多くて
飼い主の名前は知らないのに犬の名前を知っていたりする。

それらを全部ごちゃ混ぜにして、かき混ぜて
はいどうぞ!!と目の前に出された感じ、それが鎌倉。


夏祭りの次の日みたいな、ちょっと浮かれた気持ちと
ポトンと落ちた線香花火を眺めるような切なさと
なんともアンニュイな空気に街が包まれていた。(ような気がする)

ミーハーにも早速スタバでPCを広げ
ないものはない、と思っていたのに
あればやっぱり嬉しい、みたいになっている自分がいる。

この街を飛び出した時の自分を思うと
なんだか、少しだけ息が楽にできているような気がするし
なんだか、ちょっと笑えるようになっている気もするし
なんだか、世界が少し鮮やかさを取り戻したように思う。

虹色のクリームソーダみたいだな

なんて、急にメルヘンチックな言葉が浮かんできた。
だって、みんな好きでしょ?クリームソーダ。
それが虹色だったらきっとみんなハッピーじゃない?

鎌倉ってほんと、私の中でそんなイメージなんだよな。
みんなが好きなものが、なんでもある。
ハッピーになれるものが、いっぱいある。

なんでも手に入るし、みんながハッピーな感じ。
そんな中で一人浮かない顔して歩いてた私。

なんでも手に入る街の中で、自分に必要なもの。
それって一体なんだっけ?
そもそも私って誰なんだっけ?
なんで生きているんだっけ?
生きていくために必要なものは?

埋もれて見えなくなったものを取り戻す。
それがきっと【旅に出る】ってことなんだと思うんだ。

だって旅は自由だから。
スタバで仕事してる空気感を出して、
出来る自分を装う必要もないし、
誰かに声をかけられても困らないように
笑顔を貼り付けて道を歩く必要もない。

虹色じゃなくてもいいんだよね。
私は昭和レトロな緑色のクリームソーダが好きなのよ。
バニラアイスにさくらんぼ。


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