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福岡市役所「DNA運動」の記憶・その171

171)DNA運動・創生「記」(143)
 
DNA運動は、「D:できるから始めよう N:納得できる仕事をしよう A:遊び心を大切に」の頭文字を取ったものですが、今回は「N:納得できる仕事をしよう」の考察した書き込みがありましたので、それを紹介します。
 
この中で、以前から私は「住民満足=職員満足」が特に大事だと思っています。つまり、「職員満足の先に住民満足が繋がる」ということです。
 
そのためには、いろいろな「ハラスメントの撲滅」と、「無駄な仕事の削減」が必要だと思っているのですが、なかなか進まないのは残念です。
 
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◆ DNA小咄(『N』の巻)(市長室行政経営推進担当 平成13(2001)年10月26日掲載)
DNA精神に関係ありそうな話シリーズ(3回ぽっきり)の2回目です。

DNAの『N』は、納得できる仕事をしよう(市民の納得を自分の納得に)

です。自己満足でないというところがポイントで、同じ趣旨のことは市長も「市民の喜びを自らの喜びとせよ」という形で常日頃からおっしゃっていますし、昨年末の北川知事(三重県)の講演でも以下のような発言があっていました。全部、同じことだと思います。

「・・・したがいまして、私は県民満足=職員満足にぜひしたいと思いました。すなわち、職員満足がさせられなくて、どうして県民満足ができるか。職員の目標は当然県民満足であろうということで、徹底した話し合いによって、本当にプライドを持てて、自分たちは公務員として一定の安い給料で生涯尽くしたけれども、自分たちの働きによって三重県の福祉がこれだけ向上した、三重県政進展のために自分はこういう働きがいを持って一生勤められた、幸せだったということをつくり上げていこうとするならば・・・」

ところで、「相手の納得」と「自分の納得」が一致しているのかどうかを知るための方法として「ギャップ調査」と呼ばれる手法があります。今回は「ギャップ調査」の事例紹介です。

★DNA小咄(『N』の巻)★
 既に昨年度、ギャップ調査の手法を実践された南区役所さんの事例を紹介させていただきます。区政推進委員会の活動の一環として昨年度に実施された調査結果が、添付の資料です。

これをご覧いただきますと、以下のような事実がはっきりとデータで検証されているのが分かります。

●「お客様の意見や相談を聞く」ことは、職員は非常に大事なことだと感じており、また、お客さまの満足を得られていると感じている。一方、お客様の多くは「意見や相談を聞いてもらうこと」を、職員が思うほどには重要視していないし、満足もしていない。

●逆に、「待ち時間の短縮」については、お客さまは極めて重要視しており、職員との間の認識ギャップが大きい。→職員が「待ち時間」の問題を軽視しているというわけではなく(おそらく日々気にかけていらっしゃることと思います)、お客さんはもっともっと期待している、という相対的な話です。

この調査の結果、「待ち時間の短縮」が最も重要な課題となっている、と結論づけられています。明確に経営課題を認識できる、強力な調査手法であると言えると思います。

ところで、このような満足度調査を実施すると、お客さまのニーズが当該課が単独で解決できる範囲にとどまることはむしろ稀で、課題が横割りで出てきます。横割りの課題の解決に向けては、当然のことながら幹部職員の方の役割は大きいと思いますが、データがないと上の方も判断できませんから、まずは経営判断できるようにデータをしっかり取って上げていくこと、自分たちで解決できる課題は懸命に解決していくことが重要だと思います。

ちなみに、このギャップ調査の手法は、わりと容易に実施できます。『DNA運動ガイドブック』の中で、重要度・満足度のクロス分析によるCS調査の手法を提案していますが、平行して、職員にも同じ項目について「この項目について、あなたはどの程度重要視していますか?」「お客さまは満足していると思いますか?」というアンケートをとれば、市民意識と職員意識のギャップを見ることが可能になります。手軽で効果的な調査手法として、お奨めです。

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