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福岡市役所「DNA運動」の記憶・その69

69)DNA運動・創生「記」(41)
 
今回出てくる「手段の目的化」は、物事を進めていく中で、どのようなビジネス書にも「悪い例」として出てくるような言葉ですね。
 
これを当時に当てはめると、市役所改革の手法の一つであった「DNA運動」が、いつの間にか「それをやること自体が目的化」してしまい最終的な目標に到達できないばかりではなく、マンネリ化や陳腐化を起こしてしまったのではないかと、私は考えています。
 
そして、これはごく一般的な通常の業務でも同じようなことが起こっているのではないでしょうか?
 
今までの業務のやり方が正しかったのか、それを判断するには、その業務に求められる「使命(ミッション)」や「なりたい姿(ビジョン)」を明確にする必要があると思います。そうしないと「手段が目的化」するという「ワナ」に陥りやすくなるような気がします。
 
皆さんの職場でも、職員の皆さんで今一度この「使命(ミッション)」や「なりたい姿(ビジョン)」についてじっくりと「対話」してみられてはどうでしょうか?
 
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◆ DNA運動考・その2(市長室経営管理担当 藤 義之、平成12(2000)年8月29日掲載)
最近、DNA運動についての職員の方々の話や、先日の総務担当課長会議での話を聞いていて、何かもやもやとした違和感を覚えていたところ、A課長が先日書き込まれた「超管理職入門(その27)」を読み、思わず「これだ。」と言ってしまいました。
そうです、この違和感は、「最近、DNA運動自体が目的化してしまっている。」ということを感じていたから起こっていたのです。
 
つまり、最近皆さんは「DNA運動でどんな成果を出したらいいのか。」と考えておられるようですが、それは違う。あくまでもDNA運動は「手段」であり、その「目的」は「職員の意識改革」と「組織の風土改革」なのです。そのために「DNA運動」を手段として利用していただきたい。そして、その精神は「民間経営手法の導入」であり、その具体的手法が「成果指標・数値目標の設定」と「顧客満足」などということになると思います。
 
したがって、各所属においては、「職員の意識を変える」ためには、「職場風土を変える」ためには、DNA運動にどう取り組んでいったらいいのか、それを考えていただいたらいいと思います。だから、DNA運動では、プロセスが大事なのです。また、そこでは「自主性」が重んじられ、各職場の業務量や性質などの実情にあった自由な取り組みになることと思いますし、これが、今までの行革とは大きく違う点の一つだと思います。
 
そう考えると、目標の大小は関係ない、目標は大きくても小さくても構わないのです。職員全員が同じ問題意識を持って取り組めた、とか、窓口アンケートを実施して顧客のニーズを十分把握した、とか、客観的数値目標を職員全員の話し合いで設定することができた、とかいうことが大切であると、私は思います。
 
何はともあれ、DNA運動は「遊び心を忘れずに」も大事な要素です。
 
堅く堅く考えるのではなく、また、「させられている」と思ってするのではなく、どうしたら楽しく取り組めるのかを考え、ユーモアも交えながら取り組んでいくのが理想です。あくまでも「北風」でなく、「太陽」を目指してもらえたら、と思います。どうぞよろしくお願いします。

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