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福岡市役所「DNA運動」の記憶・その161

161)DNA運動・創生「記」(133)
 
いろいろと批判も多かった「DNA運動」掲示板ですが、時には事業施策についての素晴らしい書き込みがあり、それに対する「掲示板上の議論」もされていました。
 
今回はこれを紹介しまします。
前提として、この当時、福岡空港を福岡市と北九州市の中間にある玄界灘の新宮沖海上に移設して「新福岡空港」とする計画がありましたので、それを想定した内容になっています。
 
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◆『3000m級滑走路』(S区M課 Mさん、平成13(2001)年10月16日掲載)
先般の新聞報道によれば、CONFA(福岡空港将来構想検討委員会:福岡県・福岡市・福岡商工会議所)は、新福岡空港の滑走路の長さを従来の『3500m級』から、『3000m級』に縮小した案をまとめたとか・・・。
私は、委員会はよく英断をされた、と考えます。
私がこの案に賛成するのは、大きく二つの理由からです。
一つは、滑走路の短縮によって、新福岡空港のコンセプトが、さらに明確になったことです。

新福岡空港の目指すコンセプトが『アジアに開かれたゲートウェイ』であることを考えれば、3500m級の滑走路は不要です。現空港の2800mでさえ、アメリカ西海岸やオーストラリアまで飛べることを考えれば、3000m級の滑走路で充分なのではないかと思います。

成田が4000m。関空が3500m。・・・これらの空港は我が国を代表する『グローバルハブ空港』です。

新福岡空港は、私個人的には、アジアをターゲットにした『リージョナルハブ空港』を目指すべきと考えます。羽田と同距離に上海があり、大阪と同距離にソウルがあるのです。
福岡と羽田とは現在1日43往復。これに比べ、福岡と上海とは1日2往復弱です。
今後急速な経済発展が見込まれる中国の中でも、特に著しい発展を遂げるであろう上海との間に、頻繁に(1時間に1便程度)航路を確保できるような空港を整備するべきではないでしょうか。
その際に、3500mの滑走路は必要ないと思われます。

二つ目は、事業費の縮減です。
福岡空港将来構想(H7)では、空港島+建物で、8,900~9,800億円が必要とされていました。
新空港予定地は、地盤の状況も良く、関空の二の舞はないと思いますが、それでも、この時代、少しでも事業費は抑えるべきです。

以上から、今回の決定に大いに賛成するものです。
それにしても、九州では、長崎・熊本・大分・鹿児島と3000m級の滑走路がありますが、どの空港もどこまでの便を飛ばすつもりだったのでしょうか?
 
 
◆ Re:『3000m級滑走路』(D局N課 Iさん、平成13(2001)年10月16日掲載)
考え込まされる苦渋に満ちた決断ですね。

1兆円弱のお金をかけて新空港を作るメリットとして今まで挙げられていたのは
1.容量限界
2.2800メートルから3500メートルへ
3.24時間化
4.複数滑走路化

この順番が優先順位順になってるいかどうかは置いとくとして、容量限界に近づいているのは確かですね。問題は残りの部分を変更するのに1兆円(から2割引の価格)をかける価値があるのかどうか。

今回の変更で2.は3000メートルへ 4.は平行滑走路2本に、と変わるという案になるそうですね。2800メートルから3000メートルへ。風の影響があるにもかかわらず平行滑走路。24時間化といいますが、関空を見ても分かるように24時間のべつくまなく飛行機が離発着するわけではないし、現時点での15時間(だったと思いますが)での問題がどこまであるかというのもあると思います。

航空業界の次世代機がどのような規格になるか、(より長い滑走路が必要になるのか、それとも短くて済むのか)というのもありますし、福岡~東京とかはどうしても大容量のジャンボを使うというのもあるでしょう。そうした規格に合うのかどうか、使いにくい飛行場として今後30年ないし50年とかが残るのではないかと心配になります。

最後にリージョナルハブ空港としての機能というならば地下鉄で10分というのも立派な機能だと思います。ですから、これのかわりになるならば、それ相応のものでないと、と考えてしまいます。

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