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福岡市役所「DNA運動」の記憶・その159

159)DNA運動・創生「記」(131)
 
前々回の山﨑市長の「マニュアル化」の提案に対するレスの第2弾です。
 
今回は、実際にマニュアルを作成した経験がある方が、的確な分析を行っておられます。
 
1.の「せっかく作っても更新されずに使い物にならなくなっている」とか、2.の「仕事が増えすぎてマニュアルを作り時間がない」という課題は今でも存在するでしょう。
 
また、3.の「がんばってマニュアルを作っても評価されない」ということは悲しいことです。なぜなら、マニュアルは事務改善を行うための「基礎資料」となるものですから。
 
マニュアルを作るためにはそれなりに手間はかかりますが、作ってしまえば事務の効率化につながる、という認識を広めていく必要があると思っています。
 
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◆マニュアル作成(H区H課 Hさん、平成13(2001)年10月5日掲載)
パソコン入力用マニュアル、担当する職務の条例規則逐条解説集、業務用マニュアル等、私はこれまで数多くのマニュアルや解説集を作成してきました。それらの活用状況、更新状況を基にしてマニュアルに対する意見を述べさせていただきます。

1.OA環境の激変によるもの
 数多くのマニュアルを作成してきましたが、その後、更新されていないものが多く、現状では使用に耐えないものがいくつかあります。

大きな原因のひとつに急速な技術革新があります。私が使用してきたソフトの数は10以上あり、平行してバージョンアップも発生します。異種ソフト間の変換は優れたソフトの出現により以前より平易になりましたが簡単にできるとは限りません。また、個人の0A能力によっては更新できない場合もあります。そのため私はできるだけバージョンが低いソフトで作成すること、共通ソフトを利用して作成することを心がけております。

2.社会環境の変化によるもの
 社会環境の変化に伴い法律等が激変しています。市民のニーズに対応しようとするあまりに法が細分化され、現行法令を精読するのが精一杯でマニュアルを更新する時間がないのが現実です。

マニュアルを作成するには自分の業務の客観的評価が必要です。時間的余裕、精神的余裕なくしてマニュアル作成はできません。他市町村に出張するたびに当市の職員一人あたりの事務量の多さを実感します。事務費削減より事務量削減が必要です。

3.マニュアル作成に対する評価
マニュアルを作成した場合には必ず勤務評定に作成したマニュアルの内容を記述していますが、何ら人事上の評価とならないのは私の勤務年数と給与格付から考えれば一目瞭然です。わざわざ少ない時間を削ってマニュアルを作成しても評価してくれないのであれば誰がマニュアルを作成するでしょうか。それでも私がマニュアルを作成するのは後任者に同じ苦労をさせたくないからです。

簡単ではありますが、いくつものマニュアルを作成してきた私の意見です。何かの参考になれば幸いです。

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