ただ書く あなたに

こんばんは


とある記憶がある
興味のあった本を買って、カフェで読んだことがある

夜23時まで営業しているカフェ
金曜日の夜21時すぎにひとりで入った
店内はほぼ満席
連れ合いのお客が多くとてもにぎやかだった
カウンター席で本を読み始める
左右、背後、斜め後ろ、どの席も会話が盛り上がっていた
ぼくはいそいそとリュックから本を取り出し読み始める

ガヤガヤした周りの話し声が途端に遠ざかった
ぼくと本、ひとりと一冊の世界がこじんまりとしたカウンター席で濃密に展開されてゆく

話し声が近づいてきた
目で文字を追いかけているのに読めなくなってきた
逆に背後の学生と思われるグループの他愛もない会話がやたら脳に入力されていく
たぶん集中力が切れたのだろう
時計を見ると22時をすぎていた
こじんまりしたカウンター席での読書は身体に硬直という負荷をかける
集中力切れと身体の硬化を回復させるために一息ついた

実はその後の記憶が曖昧で
なにせ5年以上前のことだから許してほしい

でもこの記憶はぼくにはとても大事なんだ

楽しすぎるわけでもなく
幸せすぎるわけでもなく
悲しすぎるわけでもない
すぎない、フラットな記憶だから
強い感情の記憶ばかりが増えていく脳内メモリにこのような平坦なテンションがあることはとても良いことだと思う
平穏を確かめるのにうってつけの記憶だ

欲を言うとそのような記憶をもう2つ3つ作りたいと思っている
そのために出かけてみるのもよいかもしれない


それじゃあ
おやすみ






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