2014年10月26日 北海道新聞・一面 「佐藤氏、知事選出馬へ」

・「北海道の自立」訴え   来月4日正式表明

来年4月の道知事選への出馬を検討していたフリーキャスター佐藤のりゆき氏(64)は25日、立候補する意向を固めた。同日、複数の関係者に「腹は決まった。来月4日に表明する」と伝えた。これまで講演などで訴えてきた「北海道の自立」を前面に掲げる考え。現職の高橋はるみ知事(60)も4選出馬意向を固めており、道知事選は選挙戦となる見通しとなった。


関係者によると、佐藤氏は9月20日の自著の出版記念講演会で「近いうちに真剣に考えて答えを出す」と出馬意欲を表明した後、選挙戦の支援態勢などについて支持者らと協議を進め、出馬環境が整ったと判断したもようだ。佐藤氏は25日、北海道新聞の取材に対して「今の時点ではコメントできない」と述べるにとどめた。

佐藤氏はこれまでの講演や自著で、観光振興税やサマータイム制導入、産業用大麻の活用、「脱原発」などの主張を展開している。

佐藤氏は札幌出身で、北海学園大卒業後、北海道放送(HBC)入社。1994年に退社し、北海道初の男性フリーキャスターになった。同年から「のりゆきのトークDE北海道」(北海道文化放送=UHB)のメーンキャスターを18年間務めた。

知事選をめぐっては、高橋知事が11月以降に出馬表明する見通しで、自民党道連も支援する方針だ。民主党北海道は25日、出馬を求めていた上田文雄札幌市長(66)の擁立を最終的に断念し、候補者選びは白紙となった。党内の一部からは佐藤氏を推す声も上がっている。共産党は独自候補の擁立を目指している。


・道政批判 受け皿狙う

<解説> 徳永仁

フリーキャスター佐藤のりゆき氏が来年4月の道知事選へ立候補の意向を固めたのは、長年のキャスターとしての知名度に加え、4期の長期政権を目指す高橋はるみ知事の道政運営に対する批判の受け皿として、支持を見込めると判断したためだ。

佐藤氏は2012年、大学教授や医師らと共に北海道の活性化を考える目的で有志グループの「北海道独立研究会」を結成。かつては「高橋知事の応援団」と公言していたが、研究会で産業や医療など道内の未来のあり方について議論する中で、目新しさに欠ける高橋知事の道政運営について、物足りなさを感じるようになったという。

最近では自身の講演会で中央官僚らから「北海道は日本のお荷物だ」と言われたエピソードを紹介し、北海道の自立の必要性を主張。高橋道政についても「このままだと泥船だ」と批判のトーンを強めていた。

一方、出馬判断を固める上で障害となったのは、政党や組織の支援を得られていないことだった。一時期は政党関係者らと接触したものの、支援の取り付けまでには至らなかった。ただ、経済人有志などから支援の申し出を受ける中で、政党の支援を待って出馬を決めれば「政党色」がつき、幅広い道民支持が得られなくなるとの判断に傾いた。

歴代の道知事は道庁や中央官僚出身などで、行政や政治経験を持っていた。キャスター出身の佐藤氏にそうした経験はなく、大組織の道庁トップとして受け入れられるかどうかは未知数だ。支援組織を構築する作業には困難も予想される。


―― 以上が一面トップからの引用でした  3面の記事はこちら⇒ https://note.mu/tou_itter/n/ne7b69c9061ed

 

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