過度に熱された焦燥は、貴方のまんなかを置いてけぼりにして、輪郭だけはみ出そうとする。
貴方は、今日も『なにもの』かになろうと、積み重ねている。
塗り固めて、大きくして、分厚くしてつくったそれは、本当に『貴方』でしょうか。
本当はそのまんなかに、見えないくらいに小さく、ずっしりと重く存在している。
まんなかにいる貴方を、愛情を以て掘り出してあげようとさえすれば、いいのに。
貴方が、貴方を追い抜こうとする。
『なにもの』かの『貴方』に関係のない情報によって過度に熱された焦燥は、貴方のまんなかを置いてけぼりにして、輪郭だけはみ出そうとする。
ゆっくり、いそぐ。
行く先のその景色にドキドキしながら、今視える此の光景に胸踊らせれるような歩幅で、歩いてゆきたい。
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