見出し画像

SJF関節ファシリテーション(8)踵立方関節

目次



・SJF関節ファシリテーションについて


・踵立方関節の構造について


・踵立方関節の運動学


・治療方法


・参考文献



~本文~



・SJF関節ファシリテーションについて


「関節運動学に基づく関節内運動および


関節の潤滑機構に基づく接近技術を用いて、


関節機能障害を治療し、自動・他動運動に


おける関節の動きを、量的・質的に改善する


運動療法技術である」と定義されています。


SJFはsynovial joint facilitationの略で、


日本語の関節を正確に表す「滑膜性の連結」


という意味のsynovial jointという言葉を使用


しているようです。ここでは運動について


考えた時に、動かす側の神経・筋だけでなく


動かされる側の関節に注目し、関節内の摩擦を


弱く、あるいは少なくして筋の働きによって


関節が動かされやすい状態であることを


促していく、という内容になっています。



・踵立方関節の構造について


踵骨の立方関節面と立方骨の後関節面からなる

不完全な鞍関節です。


足部の底背屈運動では上下方向に動きます。


この運動では


踵骨の立方関節面が凹面で、


立方骨の後関節面が凸面となります。


また、足部の内外反運動では内外方向に動きます。


この運動では


踵骨の立方関節面が凸面で、


立方骨の後関節面が凹面となります。


関節包は独立していて、靭帯によって


補強されています。


靭帯については、


背側に背側踵立方靭帯が、


底側には底側踵立方靭帯・長足底靭帯が、


外側には踵立方靭帯あります。



・踵立方関節の運動学


底屈ー背屈運動


背屈時、踵骨の立方関節面が上方へ滑ります。


底屈時、踵骨の立方関節面が下方へ滑ります。


内反ー外反運動


内反時、立方骨の後関節面が内方へ滑る(内転)


と同時に外側へ回転(回外)します。


外反時、立方骨の後関節面が外方へ滑る(外転)

と同時に内側へ回転(回内)します。



③治療は、「接近軸回転法」です。


足部中間位で踵骨を固定します。

立方骨を保持し、踵骨へ向けて圧迫を加えます。

そのまま、外側および内側へ回転させます。
(回外および回内運動を誘導する)


立方骨を外側へ回転させる(回外)のは、


足部の運動でいう内反時の動きになります。


この時、背側にある背側踵立方靭帯と


外側にある踵立方靭帯へ適度な張力がかかる


ことを意識します。


骨運動で靭帯を伸張し、固有感覚のセンサーの感度の


活性化および正常化を図ります。


立方骨を内側へ回転させるのは、


足部の運動でいう外反時の動きになります。


この運動でも骨運動で靭帯を伸張し、


固有感覚のセンサーの感度の活性化および正常化を


図っていきます。


そのため、外側にある踵立方靭帯と


底側にある底側踵立方靭帯と長足底靭帯への


適度な張力がかかることを意識します。


参考文献は


宇都宮初夫,SJF関節ファシリテーション,シュプリンガー・ジャパン,2008.


荻島秀男監訳,カパンディ関節の生理学 Ⅱ 下肢 第2版 原著第5版,医歯薬出版,1988.

阪本桂造,ボディナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~,医道の日本社,2005.

です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?