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とっちゃんの四季。夏山はやらない2

 夏山をしない理由2。
 それは、ウルシにかぶれるから。
 ウルシっていうと、みそ汁の椀を思う人がいるだろうけど、もちろん正解だけど、ウルシは木で、普通に山にある。どっちかというと雑木。大木になるわけじゃない。藪の中に生えていて家に帰ってから痒くなる。
 掻くから手につく、その手はトイレのときも使う、というわけで大事なところが腫れる、痒い、熱が出る。

 一緒に行動してもなんともないヤツがいる。
 そして、ひどくなるヤツも。
 とっちゃんは後者で、しかも山好きだったから、よく怒られた。
 触らないように注意しているんだけど、近くを通っただけでかぶれてしまうみたいだ。揮発性なんじゃないかな?って思う。

 かあさんはとっちゃんに山に行くなというけど、そんなの効果ない。
 かあさんにしてみたら、いつケガするか、いついなくなってしまうか不安でしょうがないんだけど。
 忙しくさせて下界に置いておこうと用事を言いつけてみるけど、軽々とやって(とかあさんには見える)山やら海やらへ行ってしまう。
「かあさん、僕は忙しいんだから、用事を持ってこないで」
 とっちゃんにしてみたら、かあさんにきっちりそう言っているのに、仕事を持ってくるんだから・・・と思っている。

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