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『🍎おいしいものが食べたい🍏』幼保連携型認定こども園 鳥取みどり園 園長 西垣 恭子

 園の畑や園庭に設けた袋の畑で四季折々の野菜を育て、食すことを楽しんでいる本園の子どもたち。給食の先生が作ってくださる納豆ボールも大好物の子どもたち。美味しいものを食べたいという子どもたちの食への欲は、生きる力の原動力となっていることを実感する毎日です。 神様が下さる自然界の実りが嬉しい秋、鳥取みどり園に食欲の秋がやってきました。乳児棟横のはっぴー農園(子どもたちの畑)には、幼児部の子どもたちが春にさつまいもの苗(紅あずま)を植え、自分たちの仲間のように可愛がり大事に育ててきた苗が大きくなり、長い蔓が元気に伸びています。

 この畑ですが、学園の敷地内に在り山からは遠い場所にあるにもかかわらず、夜な夜な猪や猿がやってきて収穫前の根菜類を全部食べてしまうことから、以前は使用を断念していました。しかし、2年前より畑の横のグラウンドを芝生化にし、芝刈りを芝刈り用ロボットに任せるようにした所、深夜の暗闇の中、きらりとライトを光らせながら静かに芝を刈り続けるロボットの光が怖いのか、芝生化以降、野獣はやって来なくなり、今年も無事にさつまいもが収穫できそうです。子どもたちに人気のさつまいも料理は何と言ってもやき芋が一番です。熱々の焼き芋を口にし、喜ぶ子どもたちの笑顔が目に浮かんできます。フーフーしながら早く食べたいです。

 また、このはっぴー農園には、平成25年度の卒園記念品として頂いた記念樹で今年11歳になった青リンゴの木も元気に大きくなり、毎年頑張って実を付けてくれます。今年も収獲時期を迎えた先日、年長児がいざリンゴ狩りへ! その時の子どもたちの心理は写真では紹介できませんが、実った48個のリンゴの内、どれが食べたいか、一つ一つの実をじっくりと見つめ、違いをみつけようとする真剣な姿はとても可愛く、その時その時の「今」を子どもたちは全力で楽しんでいることを嬉しく思った時でした。

 収穫したりんごは、さて、どうして食べようか? 31名の年長児みんなで話し合った結果、収穫感謝祭礼拝の祭壇にお捧げする分は残しておき、残りはジャムにすることに決定! 鍋で半日コトコト炊いて氷砂糖を入れると、とっても美味しそうなジャムの出来上がり。さっそくおやつの時間にパンにたっぷり塗ってサンドイッチにして食べました。瑞々しくって甘くってしっとりとしていて…。美味しいものを食べたいという子どもたちの欲求はきっと、100%満たされたことでしょう。

 創立よりキリスト教保育を行っています本園にとって、11月に行う「収穫感謝際礼拝」は大事にしいる行事の一つであり、この行事を通して子どもたちは、自然の恵み・命をあたえてくださる神様に感謝し、収穫の喜びと恵みを、みんなで分かち合うことを覚えます。本園では毎年、秋が深まる中旬頃の1週間を「収穫感謝祭週間」とし、感謝祭を行う意味を子どもたちに知らせ、地域のお世話になっている方々にお礼の手紙を書いたり、祭壇にお捧した野菜や果物を届けたりするなど、収穫に関わる様々な活動を進めていきます。

 そんな1週間の中でも特に楽しみなのは、異年齢チームのみんなで隠し味になるものを決め調理する『隠し味ブレンドカレー』づくりです。昨年はチョコレートを入れたカレー、バナナと塩を入れたカレー、綿菓子を入れたカレー作りに挑戦。それぞれに微妙な味ながらも一工夫した自分たちオリジナルのカレーはとても美味しく、心も身体も満たされる嬉しい食育の体験となりました。今年は14日に隠し味となる食材を買いに行き、翌日に作るよう予定しています。今年の子どもたちは何を隠し味と考えるのでしょう。とてもわくわくしてきます。

 本園の教育・保育の重点目標は、本園の恵まれた緑あふれる自然環境と広々としたグラウンドを活かした『健康な身体づくり』です。食べる力は生きる力です。美味しいものを食べ、食べることを喜び、元気な心と体でいっぱい遊び、心豊かに育ってくれることを願う秋です。


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