ハイキュー音駒劇場版 ※酷評

※著者は音駒かつ研磨推しです

音駒劇場版見た。ずっと忌避していたが、あまりにも周りが勧めるので見た。結論として、本誌で音駒を応援推してた人には、オススメしません。はい。

音駒が好きなら見に行け、研磨が好きなら見に行け。軽くオススメした人たち、責任とってほしい。私なら薦めない。

総評 脳焼き度 ★★☆☆☆ 星2

なんというか、ハイキューはアニメ版と漫画版で隔たりを感じる作品だ。漫画版はアナログな印象を受け線が多く独特の雰囲気があるが、アニメ版は色使いがポップで全体的に明るい印象を受ける。アニメ作風は鬼滅の刃に似ている。子供も見られるように、という意識があるように見受ける。
音駒は、その口上も相俟って、原作登場時からおどろおどろしい印象を与えたチームだ。影山のライバルポジションが及川なのなら、日向のライバルは音駒のセッター研磨。やる気がなくヒョロガリ、陰キャ風、だけど抜群に頭が良い研磨は、華があり王道ライバル感のある及川とは相対して、新鮮味があるキャラクターとして描かれていた(と思っている)
スポ根とは相反するところにアイデンティティがある研磨には、爽やかさがない。バレーをしているのも、ありきたりな仲間とチームプレーを成し遂げることに魅力を感じているのではなく、あくまで趣味のゲームの延長線。ゲームをVRでプレーしている感覚に似ているのだろう。バレーにスリルを求めている。動くのも汗をかくのも嫌。練習もしたくない。でも画面の中のゲームは規則性があり、クリアしたら終わりで、つまらない。だからバレーに興じている。
故に研磨はかなり残酷だ。スリル先行で、自分を楽しませてくれる相手を探しているので、敵を攻略してしまうと落胆を見せる。お前はそんなものか、と。見るからに興味をなくす。
こういった研磨の残虐な部分を劇場版では肉薄しなかった。あくまで、日向の「好敵手」の研磨。スリル先行のあまりに、全力を出せない好敵手の研磨が、試合を通じて心から楽しくバレーができるまでの「過程」を演出していた。
なので、結果的に「研磨の成長物語」を描かれた印象を受けた。

キレイな「研磨の成長物語」が見たかった層はそれほどにいるのだろうか?
少なくとも、上記は、「おどろおどろしい印象を受けたなんか強そうなライバルの音駒」から、軸ブレしている。爽やかさの押し売りは音駒は親和性がないチームじゃなかろうか?

全編を通し、予定調和

研磨の視点になった部分も、「成長物語」を際立たせる描写にすぎない。特に目を見張るものではなかった。
せっかくの映画化なのだから、もう少し演出をこだわってもよかったのではないか?音楽も編成もありきたりすぎて、1映画としては並。これでここまで人気を博すのはジャンプコンテンツのブランドイメージだろう。
作品としての厚みを出すのであれば、「つえー研磨」「つえー音駒」あるいは「つえー黒尾」にもう少し迫るべきだった。原作を知ってたとしても、あまりに音駒つえー感がなくて、試合展開ドキドキハラハラもなくあっさり終わった。

薄い塩味ラーメンをそのままお出しされた気持ちだった。


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