見出し画像

20221124ワークショップ③石田

開催日時:2022年11月24日 10:00~12:00
場所:グレイスヴィルまいづる-東京(Zoomオンライン)
内容:
2人の参加者とそれぞれ砂連尾さんが1対1でワーク
1.Mさんが3分くらいで「協力できんわ」といって去る
2.Kさんと1対1で20分程度
3.KDさんと1対1で20分程度

****
石田智哉(映画監督)

 2022年11月のとつとつオンラインWS。今回は録画したものを見せてもらった。より大画面で見たいとパソコンよりもやや大きなテレビモニターに繋いだ。画面の大きさからか、今回のWSの展開からか、個々のWS内容はどこか響き合っているようだった。
 
 ここでは特に印象的だったKさんのWSのことを。
 
 Kさんと砂連尾さんのダンスは30分以上にわたっていた。職員の浦岡雄介(うらおか・ゆうすけ)さんが側でギターを奏でる。Kさんは頭から口、鼻、目の下、頬(ほほ)となでるように触れたり、パソコン画面の砂連尾さんに向かって手のひらや手の甲で触れようとするしぐさをしたり、左右にゆっくりと身体を振ったりする。
 
 動作が変わる時に、笑みを浮かべながらの「ふふふ」との声は、本人も知らぬ間に身体からあふれているかのようで、見ていてこちらも表情が緩む。
2人のダンスが終わる頃には、自分も少し身体を動かしたような体感がいつもより強かった。
 
 同じように身体を動かしているわけではないのだけど、こうした心地がするのはなぜだろう。一方的かもしれないが、遠くから「見ている」だけでも、そのものと一体となっていき、まるで自分の身体の延長上にあって一緒に動いているかのような感覚が生まれることがある。

 「動きを見ること」には、いまだ語られていない、自分の中でも整理できていない奥深さがあると思う。

 小学生のときの体育の授業は皆となかなか一緒に混ざって行えず、介助員さんと違うことをするか、見学するかだった。「見学は退屈だったのでは?」と言われることがあるが、案外面白かった。

 一口に「見学」といっても、そこに臨むモードの違いのようなものがあった。全体を見てやっていることを掴もうとする日。同じグループとなった2〜3人の友人を見比べる日。1人の子をじっくりと見ている日、といった具合だ。
 
 「縄跳び」の単元では次のように参加した。縄の回し方を考え「型」を増やすという仕方だった。

 まずは回す前の「準備」。縄の長さや持ち手のフィット感。冬場だったので素手でやるか、手袋でやるか。手袋もミット型がいいか、5つ穴の型がいいか。

 目の前の光景は縄跳びをする皆が見えた方がいいか、壁がいいか、花壇に向いた方がいいか。

 一つひとつ選んだ。

 続けて回し「型」というと。右手で時計回し、反時計回し、左手でそれで、もう4パターン。目の前で四角を描く、8の字を描く…と生み出した。だが、そこには「跳ぶ」がなかった。

 「跳ぶ」感覚に近づくには足を「動かす」ではなく「見学」だ、となぜか思い立った。
 
 ある日は「動かす」ことを中心とせず、1人をじっと見ていた。その子は二重跳びをマスターしようとしていた。縄が地面にあたって舞う砂ぼこり。
二重跳びの時に入って変わる縄音。跳ぶ様子を見ていたある瞬間、自分で回しているときとは感じなかった「縄跳び」の一面を知った気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?