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「天知る、地知る、我知る」のつづきを知る

5年生のとき、
クラスの子が、
絶対バレないだろうと思って水やり当番をサボった。
しかも2回も。

大人になった今なら、
2回くらい水やりをサボったところで
多分植物は逞しいから大丈夫と分かるけど、
小学生の係の仕事をサボるなんてもう重罪で。

「ひぃぃぃぃ先生に怒られるでぇぇぇぇ・・・」
と思っていた。
みんな分かってたけど言わなかった。

で、すぐバレてた。


担任の先生が、
「『天知る、地知る、我知る』って言葉がある。
みんながなにか悪い事をしてしまって、
誰にもバレてないって思っても、
天の神様は見てるし、
地面の神様も見てる。
何より、自分自身が一番知ってる。
したことはバレてしまうという意味や。
自分の胸に手を当てて、聞いてみ。
ちょっとあかんかったなーと思ったこと、
自分が一番知ってるんと違うか。
ずっとこそこそしておくの、嫌ちゃうか。」

と言ってた。

5年生にもなると
多かれ少なかれ内緒で悪いことなんてしてる。
だからみんなの胸に響いてたと思う。
今でも覚えてるってことは、
私にも何か思い当たることがあったんだろう。


「天知る、地知る、我知る」


大人になった今でも、
プラスチックのゴミ分別せなあかんのに
燃えるゴミに入れたときとか、
分かってたのに
「ごめん連絡したと思ってた!」って
言ったときとかに、頭によぎる言葉。


元々の意味も「悪事はいつか露見する」という
ネガティブな意味やから、
やましいことがあるときに思い出す。


ただ、続きを知って個人的な見解が変わった。


やましいことがあったときに(語弊あるけど)
またこの言葉を思い出して
なんとなく調べてみたら、続きがあった。

「天知る、地知る、我知る、子知る」

子、って、人のことらしい。
「天も地も私もあなたもみな知ってまっせ!」
ってことらしい。

人知る。
ほお。
確かに。
これポジティブにも使えるな。


前の職場の同僚とバーベキューの前に買い出しをして
私が一人醤油を吟味してた時。

「○○(私の苗字)、調味料食べるん好きやもんなあ」
と後ろから言われた。

衝撃が走った。
今まで気づいてなかったから。
確かに私、
砂糖、塩、醤油、なんでも結構食べる。
そのまま。
そうか、私、調味料好きやったんや。と、我知る。

職場でちょっと嫌な思いをしたけど
誰にも言えなかった話を友だちにしてた時。
「きやす、結構顔に出るからみんな気づいてるやろ。」
と笑って言われた。

衝撃が走った。
今まで気づいてなかったから。
確かに私、思い返せば嫌な気持ちの時
かなり顔引き攣ってる気がする。
ああ、私顔に出てたんか、ばればれだわこりゃ、と我知る。


同僚が突然キャラクターの書いたグミをくれた時。

「○○(私の苗字)さん、
こういうキャラクター系のスタンプめっちゃ使うから、
好きなんやろうなぁと思って買ってきました!」
とご機嫌で言われた。

衝撃が走った。
私が、キャラクター好き...?
スタンプを見返す。
うん、確かに可愛い動物系が多い。
あ、私、キャラクターもの好きなんや、と我知る。


人に気づかされて、我知ったこと、たくさん。
どれもなんか、なぜかちょっと嬉しい。
私のこと見てくれてるんだなって気分になる。
みんな意外と、人のこと見てないようで、見てる。


「天知る、地知る、我知る、子知る」。

「天も地も私もあなたもみな知ってまっせ!」

ほんまの意味とはちゃうかもしれんけど、
うん、なんか、いいね。

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