6の4の大王(おおきみ)は誰になる?(1)
6年生の学習は面白い。理由は二つある。
一つは、学習の内容が知識として深みが増していくこと、
もう一つは、その知識の理解が子どもたちの成長とともに深まることで、
関心の持ち方も、高学年になるにつれて高くなっていくことだ。
12歳になる子ども達と触れているときに常に感じることは、
「この子達の心は、もののけ姫のアシタカと同じだ。」というものだ。
忖度やあきらめ、損得を抜きにして、何か良い事なのか、
自分はどう考えるのが正しいと感じているのかを、
『曇りなきまなこ』で、しっかりと観察して、
理性と感情と自分が吸収した知識をフル回転させて考えることができる、
そんなところが、素敵で、素晴らしい。
だからこそ、そんな6年生と向き合うとき、
僕は子ども達の興味を持っているものにも興味を持ち、
学校の授業で教えていくことも、
より楽しく=興味を持って取り組むことができるように、
何か工夫をしたり、様々な刺激で伝えられる手段を用いたりする。
先生をしている人たちからすると、
「それはみんなやってる。教材研究ってことだろう。」
と思われるだろうけど、その工夫を思い切って楽しいに振り切るから、
決して同業者には見せられない、見せたくないそんなものを作ってしまう。
6の4の子達との一年では、ことさら、そんな工夫をしたことが
たくさんあったなと、改めて振り返っても感じた。
中でも社会科でやった、2つのゲームは本当に楽しかった思い出があって、
今回はそのうちの一つ「大王をめざせ。むらからくにへゲーム」について、
綴っていきたい。
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授業参観で、縄文時代から弥生時代への移り変わりをした次の時間、
小学校で学ぶ日本の長い歴史は古い時代ほど早く流れていくので、
あっという間に時代は卑弥呼を経て古墳時代に進んでいく。
「…小さなむらは、徐々にくにとなっていき、それが最後には大王を中心とした大和朝廷になっていくんだけど、そうした時に、権力を持った者たちが作らせたのが、大きなお墓だったんだね。」
普段通りの授業は進んでいた。と、そこに質問が飛んできた。
「先生、卑弥呼の時代から古墳の時代まで、だいぶ時間がたっているけど、卑弥呼の時に、もう一つのくににまとまっていたんじゃないの?」
「そう思うよね、するどい。ところが卑弥呼の時代でくにが一つにまとまっていたわけではないと思われててね。卑弥呼の邪馬台国は、大陸の国が日本列島にあるくにの女王卑弥呼を認めたという事が事実としてはあるけど、それがイコール邪馬台国が日本を治めていたという事と重なるかどうかは、まだ定かではないだよ。」
へぇー。と子ども達は頷きながらやり取りを聞いている。
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