途中の始まりは貴重な一期一会(1)
バレンタインデーが過ぎると、思い浮かんでくるエピソードは、
【卒業】に向けてのあれこれ。
送り出した子どもたちのクラスの分だけ、
思い出される出来事も浮かんでくる。
だが何度卒業式で見送る担任をさせてもらっても、
毎回思い出すのは、以前「鬼祭り」で登場した6の1の子達との、
卒業までのドタバタ劇。
僕も必死で、こともたちも必死で卒業式まで駆け抜けた。
そんな印象が一番強く残っている。
【卒業】という言葉で思い出しても、一番心に残っている6の1の子達。
どうしてあの子たちのことが、沢山心に残っているのだろう。
そう思ったときに、自分の思いを短く言葉で表したら、
『普通でない始まりだったから、より大切な思い出になっている』
と言う事なのかもしれないと、改めて感じた。
卒業にまつわる話を綴る前に、その出会いについて綴っておきたい。
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その年までの僕は、担任外を数年経て、前々任校で2年生の担任、
前任校で2年生、病気入院の先生の代替で後半だけ4年生、4年生担任、
と経験して、担任を受け持ち、預かった子どもたちと過ごすことが一番と、
そう思っていた頃だった。
だが講師なので、異動先でどんな仕事を任されるかは、
希望通りとは限らない。異動した先での仕事は、担任外で、サポート役。
各学年が、3から4クラスある割と大きい部類の中規模校だったので、
出張などでクラスを開けてしまう先生の代わりに、クラスに入ったり、
通常時は、行事の準備をしたり、図書室の管理をしたりする、
そんな仕事の内容だった。
とにかく子供と関わりたい、そんな思いも強い頃だったので、
図書室で、ボランティアで来てくださっているおうちの方に、
「担任やりたいですねー・・・。」
とぼやきながらも、子ども達が楽しめるように、
毎月塗り絵を図書室に置いて、子ども達の塗った季節のえイラストで、
図書室を飾ったりなどして1学期を過ごしていた。
夏休みが過ぎ、敬老の日を含む3連休が迫った9月の中旬、
「ととろん先生、折り入って話があるのだけれど。」
そう声をかけられ、放課後に校長室へ呼び出された。
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