二学期始めの大雷落ちちゃう事件(2)
週明けの月曜日、僕はいつも通りに教室へ入る
「おはよー。」
おはよー、といくつか返事が返ってくる中、週明けは大体何人かの子ども達が、
「先生、昨日○○○に行ったんよ。面白かったぁ。」
とか、
「先生、昨日ホークス戦観に行ったんよ!」
など、週末の報告をしに寄ってきてくれる。
そういうコミュニケーションは、授業なんかよりよっぽど面白くて、
僕もどんどん質問するのが楽しくなるし、話に来てくれる子達はまた、
こちらに質問されて、また会話がつながっていくのが楽しそうで、
朝はそんな感じで始まることが大体通常だ。
そんな感じで、和気あいあいと話をしながら、
今日の準備の仕事や、提出物の確認作業に取り掛かる。
「○○さん、作文もってきてたらだしいよー。」
「はーい、今出します。」
「△△さんは、先週言ってた自由工作は持ってこれた?今日体育館にみんなの作品展示しに行くけど。」
「大丈夫です。隣の部屋に置いてあります。」
「おっけー、じゃあ壊れないように運ばんとやね。」
と、僕は登校済みの子たちの中で、夏休みの宿題の未提出がある子に直接声をかける。
確認が取れたら、チェックシートに済マークを付けて、
夏休みから一回目の土日を挟んだ、2回目の締め切りの日。
ほとんどの子達は先週の金曜日までにすべての課題の提出を確認しており、
またそのチェック作業も終わらせて、それらのもう宿題は返し済みである。
残っている子は5人ほどで、教室に顔を見つけた子から順に、もってきたかの確認をしていくので、
全クリメンバーは着実に増えている。
そんな中、Hさんが、ちょっともじもじしながらやってきた。
「先生、これ。」
「おはようHさん、お、終わらせてきたんやね!偉い!」
おうちの人にも声をかけられながら、夏休みもこつこつと宿題は頑張ってきたHさん、
勉強が苦手なのだが、夏休み前に宿題の件でおうちの人からも相談があり、
それぞれの宿題をどんな風にやって行けばよいかについて作戦を練ったのだ。
例えば自由工作は、一緒に話して何を作るかを決めて、それをおうちの人にも伝えて、
おうちの人の手伝いもしてもらえる日でいつ作るかの予定を立てるとか、
プリント集や、漢字の宿題など、とにかくまとめてみると多そうな課題については、
全部のページに、〇月◇日と日付を書き込んで、
「この書きこんだ日にちに、このページをする。このペースで頑張ってごらん。もし書き込んだ日付の分が終わって、もう少しできると思えば、次の日の分はしていい。そうすると、途中で休める日も出てきたり、予定より早く宿題が終われたりするからね。」
Hさんと一緒に、相談しながら、課題をやっつけていくスケジュールを課題そのものに書き込んで、応援した。
始業式の日、Hさんはほとんどの課題を終えていたのだが、家族や友達との用事や、他の宿題にてこずってしまったことで、漢字だけが、あと8ページほど残っていた。
僕は再び彼女と話をして、もう一度その漢字ノートに書いた日付を更新して、
次の月曜までに終わるように、ページを割り振っていたのだった。
その漢字の課題を、Hさんはしっかりと完了させて提出しにきたのだ。
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