普段の学びも感じてもらって、安心してもらえるように(3)
アハハハハ。くだらなーい。
子どもたちの笑い声と、囃し声が、ランチルームに響く。
ただいま子ども読書の日、その2時間目の詩の朗読読み聞かせ会の最中だ。
朝のホームルームで、今日の予定を伝えた時、子ども達からの反応は、
まぁ、なんでもいいです。が半分くらい。
え、なんだか面白そう。が、2割くらい。
読書の日なんだから2時間本読みでいいやん、が3割くらい。
とにかく受け取り方は様々なれど、
その反応はストレートに表に出してくる子ども達。
なのでこういう具体的な予定は、
はっきりと事前に説明したうえで物事を進めていかないと、
自分たちの頭の中になかった予定を、
サプライズ!だと前向きに受け取るよりも先に、
パニックになって、収拾がつかなくなってしまう素養は十分にあったのだ。
始業式以降毎日、朝の学年通信の詠み合わせもしているので、
子ども達は、話を聞く。誰かがしゃべっている、読んでいるときは静かに耳を傾ける。
そういったことは日々少しずつ定着して言っている様子が見て取れた。
そのため、詩の朗読会が始まり、先生がかわるがわる、
時に面白おかしく、時に迫力のある声で、メリハリの利いた抑揚で、
少し(いやだいぶ)大げさに、演じ読む詩の読み聞かせは、
子ども達は大いに笑って楽しんで聞くことが出来たようだった。
手作り冊子の詩を読み終えると、船長が子ども達に次の話をする。
「それでは、今日の3時間目は、今読み聞かせした詩の中から、自分が一番気に入ったと思った詩について、感想を書いてもらいます。この、乾燥プリントの上の空白には、気に入った詩を写し書きしてください。そして下半分の行のところには、その気に入った詩の感想、どの言葉が気に入ったとか、どんな気持ちになって聞くことが出来たとか、どんな場面が頭に浮かんだとか、そういったことをたくさん感想で書けると、良いと思います。」
すると、それに、子ども達の9割以上、
もう本当に、それでもどうでもいいやという態度の3・4人を除いて、
ほぼ全員から、「はーい。」の返事が返ってくる。
この大多数の了承の返事こそ、読み聞かせが楽しかったという、
子ども達からの一番のOKサインのように感じた。
教室に戻って中休みを挟み3時間目が始まる。
子ども達の半分ほどは、教室の中で、
「どの詩が一番好きだった?私は、カメのがすきー。」
「おれは海のが気に入った。」
と、前の時間の読み聞かせを楽しく振り返っていた。
座って静かにするだけが学校での勉強じゃない。
みんなで「楽しい」を共有できることの気持ちよさを、
子ども達は、この日も一つ、経験として手に入れた子が多かったようだ。
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