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バレンタインデーのお返しは(1)

小学校でのバレンタインの風景と言えば、間近に迫ってきた頃に、

「学校には、バレンタインチョコとか持ってきてはいけません。」

と先生が口酸っぱく言っていたなと言う場面が

思い出の中にある人は多いのではないだろうか。

先生の中でも、なんだかえらい口やかましい人はいて、

必ず職員の終礼などで一言、

「きちんと指導することを共有してください」と言う人や、

学年の先生を集めて、

「くれぐれも持ってこさせないように」と念押しする人など、

バレンタインデーに何か執拗な恨みでもあるのか。

それともまた恒例の「万が一にも」か。

無駄にけんかしてもしょうがないので、

「了解です。指導しておきます。」と応えていた。

また、子どものブーイングの第一位が、

「先生たちも職員室でお菓子食べてんじゃん」

だったりするのもあるあるだ。

教員は労働だから休憩時間にはお菓子を食べるよ。

などと言う大人の理屈は、なかなか理解できないだろうなと思いながらも、

先生達も極力放課後になってから口にすることが多いのではないだろうか。

そんなバレンタインデーの、ととろん学級での声かけはいつも、

「バレンタインデーに学校にお菓子は持ってこないように。ただし、わざわざ朝一番に、全員の荷物チェックなどはするつもりはないので、放課後にお菓子交換ができない、とか、お互いの家が真逆で放課後に会えないとかの事情などがある人は・・・工夫を考えなさい。」

要するに、どうしても放課後無理なら学校にいる間は、

絶対に見つからないように工夫してねと言うわけである。続けて、

「もし、学校の敷地の中で、放課後までに、物が見つかってしまった場合は、残念ですが、先生が全部食べますので、覚悟して持ってくるなら持ってきてね。大事な本命チョコや、楽しみな友チョコを、見つけた瞬間このお腹に全部入れちゃいます。容赦なく。」

なんせ大トトロ並みのお腹のととろん先生。

子ども達をぐるっと見渡して、目で念押しすると、

『あ、これはガチで見つかったら食べられちゃう』という謎の迫力で、

子ども達は学校に持ってくることはなかった。

(見つけることはなかった、たぶん工夫している子はいたと思う)

一方で、質問が飛ぶ。

「先生にあげようと思っているのはどうしたらいいですか?」

多分、普通であれば、

「先生は、そういうのは受け取れないから気持ちだけでいいです。」

が、大人な先生の返事なのだろう。だが僕の場合は、

「それはうれしいです。でも学校には持ってきてはいけないから、一度家に帰って放課後に持ってきてくれるならぜひ受け取らせていただくよ。」

と、そこも柔軟に、放課後一度帰宅後ならいいよ、と言っていた。

「ちなみに、お礼は、先生の手作りチーズケーキで10倍返しです。」

そうすると、子ども達はととろん先生のチーズケーキに興味津々。

「じゃあ先生のも作ってあげるね。」

「チーズケーキ、食べてみたいから作ってあげるか。」

などなど、お返し目当てで計画にプラスしている子も見られた。

さて、今年は何ホール焼くことになるのだろう。

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