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大いに討論できたなら(2)

さて、そんな流れで始まった【学級討論会をしよう】の学習。

いきなり討論ではなく、そのための準備について進めていく。

「一番大事なのは、自分がどれだけそのテーマについて考えることが出来たか。それが大事になってくるよ。だからまずは、自分自身で、賛成の立場ならどんな風に考えるか、反対の立場ならどんな風に考えるか、もし審査員なら、どんな質問をするだろうかと言う事を考えて、なるべくたくさん、ノートに書いてごらん。」

討論はただの言い争いでは不毛なものになる。

色々な考えを出し合って、指摘し合って、納得したりさせたりできること、

そういった討論にするためには、どんなテーマにおいても、

自分でどれだけそのことについて考えを拡げることが出来ているかが、

大事になってくる。

子どもたちは、一生懸命にノートに自分の考えを書き出していた。

「自分の考えが思いつく限り書くことが出来たら、その理由も書き足していこう。理由を説明するのに、何か資料が欲しい人は、調べるのもいいよ。」

討論会に、お祭りのような論戦バトルのイメージを持っていただろうと思われる子どもたちは、

「うぅぅ。なんか思ってたのと違う。」

と、出だしの準備にちょっと肩透かしを食らったように、

ノートに自分の考えをまとめていった。

それが出来たら次は、グループ分けだ。

「では、みんなが自分の考えを持てたところで、チーム分けをします。」

「おれ賛成がいい。」

すかさず反応してくる声が聞こえる。

「それぞれのグループには定員があるから、第2、第3希望も考えておいてね。そして討論会は3回はするから、会ごとに違う立場を体験してもらうのと、一度は討論をする賛成か反対かの立場になってもらうので、それも頭に入れておいてね。」

と伝えてグループ分けをすると、絶対討論したいという気持ちの強い子も、

安心してグループ分けに参加しているようだった。

グループ分けが終わると、次はグループでの打ち合わせ。

まだまだ討論会にはたどり着かない。

「今回一緒になったグループのメンバーで、それぞれの立場での自分の考えを出し合って、似たような考えなら、誰が言うのか、質問は誰がするのかなどを話し合うよ。当然本番では、予想もしていない質問が飛んできて、それをアドリブで返事できることも大事になってくるけど、準備の段階で、なるべくどんな質問が相手から飛んでくるかを想定して、備えておけるかどうかは、とても大事だから。」

今度は一人仕事ではないので、賛成グループも反対グループも話し合いが盛り上がっている。

その間、審判視聴者グループは、同じくグループで考えを出し合い、

討論会を聴いた後どんな質問が出来そうかを考えていく。

司会者グループは、進行の時間配分や、討論がスムーズになるための、

司会として必要な言葉かけについて、打ち合わせを行う。

自分たちで作る討論会、実は準備が結構大事。

そんなことを感じながら、討論会の準備は整っていったのだった。

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