見出し画像

11.大学の頃のはなし(恋愛編 前編)

小学生~高校まで全くなかった恋愛の話が、
大学で初めて登場します。
大学まで付き合ったことがなかったからです。

好きな人は小学生からどの時期もいました。
告白されたこともあります。
でも、付き合ったことはなかったのです。

初恋は小学一年生の時。
相手はOさんでした。
でも、それに気づいたのは、Oさんの転校が
発表された時でした。
なんだか胸が締め付けられるような感覚になり、
後になってそれが「好き」という感情だった
ことに気づく
のです。

その後はTさんのことが好きになったっぽい
のですが、それも曖昧な感情でした。

小学4年生の時にはTさんに告白されました。
友達と一緒に実家にバレンタインのチョコレート
を持ってきてくれたのですが、それにどう答えて
良いかわからず、残念ながらその場でありがとう
と言うだけに終わってしまいます。

中学ではTさんとFさんのことが好きになりました。
でも二人とも最後まで告白しませんでした。
振られるのも怖いし、仮にうまく行ったとして、
その後の付き合い方がわからなかったからです。

未だに誰かわからないのですが、机の中に
ラブレターが入っていたこともありました。

西脇小学校の同級生からラブレターが届いた
こともありました。それにもどう対応してよいか
わからず、返信をすることなく終わりました。

高校では気になる人が何人かできましたが、
やはり告白しませんでした。
理由は同じです。

卒業式の日に第二ボタンを欲しいと言ってくれた
人はいました。素直に嬉しかったのですが、
すでに頭の中は大学での新生活のモードに
なっていたのと、付き合った経験のない僕が
この時点から遠距離恋愛などできるはずがない
と思ったため、ありがとうと言うだけでした。

「大学では彼女を作るぞ!」
そんな意気込みで北海道にやって来ました。

教養部の同じクラスにマドンナ的な存在のUさんが
いました。清楚な美人系の女の子でした。
薬学部への移行を目指していた彼女は授業も
真面目に出席し、宿題も確実にこなし、
みんながノートを借りるような優等生的存在でした。

そのUさんは、なんと僕の住んでいたマンション
から歩いて1分
のところに住んでいました。
そして、なんと高校時代バスケ部のマネージャー
していたことを知りました。
「運命ちゃう、これ?」
本気でそう思いました。

バスケサークル『セビアン』に一緒に行こうと誘ったら、
「行ってみる」
と言うではないですか!
もう頭でクラッカーが何発も鳴りました。

Uさんと一緒にセビアンに行くようになって間もなく、
7月12日の午後10時17分、北海道南西沖地震
(奥尻で津波被害があった地震)が発生します。
札幌でも震度4を記録しました。

数分後、自宅の電話が鳴りました。
Uさんからでした。
「怖いから内藤君ちに行っていい?」
「えっ!あっ、い、いいよ、もちろん」
受話器が汗でびっしょりでした。

5分もしないうちにUさんがやって来ました。
殺風景な一人暮らしの男の部屋に、
女の子が楽しめるようなものはありません。
かといって、変に意識をして緊張しまくっている僕は
大した話もできなかったのではないかと思います。

そして、
「こんな時に告白するのは違うだろう!」
というホワイトナイトと、
「いや、これは絶好のチャンスだろう!」
というブラックナイトウが
頭の中で綱引きをしているうちに日付が変わり、
そろそろ帰ろうかなとUさんが言いだしたため、
Uさんを自宅まで送ってその夜は終わりました。

何もできませんでした。

教養部のクラスで人気のあったUさんは、
セビアンでもたちまち人気の存在になりました。

そして、18条のつぼ八で事件が起きます。
同じく一年生でUさんが気に入っていたMと僕は、
お互い酔っぱらっていたこともあり衝突するのです。

その後、僕の見ていないところでMの執拗な
アタックが続いていたようで、嫌気がさしたUさんは
僕に相談した上でセビアンを辞めました。
すると、間もなくMもセビアンに顔を出さなく
なりました。

Uさんがセビアンに来なくなったことにより、
僕のUさんに対する想いも自然と冷めて行きました。

そして彼女のいない夏休みを迎えます。

彼女のいない夏休みは暇でした。
車も免許も持っていなかったので、
ドライブに行くこともできません。

この暇な時間の有効利用を考えた時に、
彼女を作るための武器を持とうと考えました。
その武器とは、今では僕の代名詞となった
お好み焼き』でした。

(つづく)


次のはなし

12.大学の頃のはなし(お好み焼き編)
https://note.com/totoro0129/n/n082041943d22/edit


<0.プロローグと目次>
https://note.com/totoro0129/n/n02a6e2bda09f

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?