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BBLとCLTのお話。

おはようございます。

もうすぐ年越し。年末年始のタップルームは12/28,29,30,1/3は特別営業してます。ブルワリーは12/27〜1/2までお休みとなります。
※出荷は年内30日まで、年始は3日からです。
年末年始のこの1週間を確保するのにかなり頭を悩ませました。ブルワー達は稼働しないとしてももちろんビールは待ってくれません。イーストスケジュール1.5ヶ月前から少しずつ調整してなんとか無事に確保できた感じです。そんなこんなで今週は3日間連続で仕込みをしております。今日で最後。


そんな中この仕込みの数日前に一個アイデアがあってそれを実践。
ブルワリーにはたくさんのタンクがあるのです。ビールを発酵させる発酵タンク、熟成させる熟成タンク。どちらも違った役割りをもつのですが、見てわかるように発酵タンクないとどうしようもありませんのでそれないブルワリーは存在しないでしょう。逆に熟成タンクとなるとあるとこないとこ存在します。実際小規模なところだとないとこのが多いかもしれません。
僕らは10BBL(1200L)と20BBL(2400L)の熟成タンクがあります。WCBが設備大きくなるタイミングに譲ってもらったやつです。
10BBLの方は主にSour IPAを作る時に概ね使用してますが20BBLの方は中々使用して来ませんでした。
例えばホッピーなビールとなるとより酸化のリスクは高まります。如何に酸素を取り込まずにパッケージまでするかがカギになります。その中でビールを移送するという工程にも一定の酸素を取り込むリスクが存在したりします。(もちろん熟成タンクに移送する効果をあったりするんでブルワリー毎に環境の違いがあります)
上記を踏まえて僕らはホッピーなビールは移送しません。すると20BBLの熟成タンクは使うタイミングがこれまでなかったのですが、それを使って今回仕込みを行ったというわけです。


ブルワリーにはHLT(お湯を貯めるタンク)とCLT(冷水を貯めるタンク)があります。HLTは必ず必要ですが、CLTとなると使用していない所ともあります。温度管理は0度以下でも凍らない「グリコール」という液体を使って冷やしたりします。しかし過度な負荷がかかればグリコール液自体の温度が上がってしまう為注意が必要です。僕らもこれまではグリコールのみで管理していましたが、ここで「熟成タンク20BBLをCLTとして使用する」案が浮上します。
これによってよりリスクを軽減できて、尚且つ作業効率がアップします。
初の試みでしたが想定通りとてもいい具合に1日目は終えました。
よかったよかった。
僕らの世界にもありとあらゆる設備が存在していて投資をしてもキリがないほどです。その中で如何に自分達の設備を理解し、目指すビールのクオリティに到達する為に必要な投資をするかが小さなブルワリーには最適です。

2023年の仕込みもあと2回です。

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