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ブックカフェ「トトノエル 」へ
雨の日だった。
出張を終え、駅まで向かう道で、突然の雨。
傘を持たずに出たことを悔やみながら、雨宿りをしようと前方に見えた店の軒先に入った。
見上げると、木製の小さな看板。本の形をしていて、「ブックカフェ トトノエル」と書いてある。
本が置いてあって自由に読めるカフェ?
コーヒーが飲める本屋?
どちらにせよ、急いで帰る予定もなく、一人になりたくない思いもあり、入ってみることにした。
店内は、カウンターとテーブル席が三つのこじんまりとしたレイアウト。
客はまだおらず、カウンターの中で何か準備しているらしい店主と目があった。
「あら、いらっしゃい」
軽く驚いた表情を見せた後で、にっこりと微笑んだ。
その笑顔は、どこか懐かしく、ただいま、と言いたくなった。
以下、続く。
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