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親バカエピソード「息子の口伴奏」

息子が中学生の頃の話。
PTAの役員をやっていた関係で、体育委員企画のインディアカ大会に参加した。
一緒のチームになった先生が、息子の話を聞かせてくれた。

中学校の朝礼か何かで、校歌を歌う場面に差し掛かった時のこと。
手違いで、壇上のグランドピアノの鍵がかかったままで、生徒が伴奏を始められない。ちょっとざわつく体育館。
その時。
PTA副会長で前方にいた息子が、口頭で校歌のイントロを歌い出した、と。
それでみんなも歌い出し、ことなきを得た、と。

「助かったんですよ」という先生。

三学年で800人くらいいる状況で、「パーパパーラーラーラーラー」と歌い出せる度胸。
伴奏をただ待つのではなく、歌った方がこの後スムーズに進行するだろうなという思考と、じゃ自分が歌えばいいか、という判断。

すごい。
親バカもあるけれど、それができるってすごいこと。
さらにすごいと思うのは、多分本人は、それをすごいと思っていないこと。

なぜなら、本人からも(そう言えばいたはずの妹からも)聞いていないから。担任の先生からも。
インディアカに参加して、この先生と一緒にならなかったら知らないままだった話。
それくらい、「XXくんなら、まあ、それくらいのことはやるでしょう」という認識。
(後で聞いたら、妹はちょっと恥ずかしかったらしい)
(もしかしたら、これはこれでウケるかも、という思惑もあったかも)

小学校一年生の時に、あれこれ問題を起こして呼び出されて、校長先生から掛けられた言葉が思い出される。
「この子は教師の枠を超えた、大きなものを持っている。それを見守っていきましょう」

枠を超えた何か。

大学生になってからも、様々なチャレンジをしている。今年は、三度めのM-1にチャレンジすると言っているし、本当に楽しみ。

何か、そういう役割を持って生まれてきたんだと思う。

応援できることが、ただただ楽しみでならない。

子育てって、ありがたい。


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